大石昌良(オーイシマサヨシ)「キャバ嬢にも知られる存在に」路上ライブで決意

それはゴールデンウィークも終盤に差し掛かった5月4日の夕刻。シンガーソングライター・大石昌良(オーイシマサヨシ)さんが突如、代々木公園にて弾き語りライブ配信をスタートした。

アニソンシンガー・オーイシマサヨシとして、日本武道館でのワンマンライブ成功も記憶に新しい大石昌良さん。当日は、代々木第一体育館を向かいに見る大きな木の下で、18時頃からライブ配信を実施。

情報を聞きつけたファンが続々と集まる中、およそ2時間にわたり弾き語りライブを行い、最後は数十人? 数百人? にも見えた観衆がつくるアーチに見送られながら会場を後にした。

※記事内写真はKAI-YOU編集部撮影

大石昌良、GW中の代々木公園に降臨す

何気なくスマートフォンでXを眺めていると、とある通知が飛んできた。大石昌良さんのポストを知らせるものだ。

「代々木公園で弾き語りをする」という動画のタイトルそのままの投稿内容に、一瞬何が起こったのかわからない。しかしそれは、読んで字の如く「大石昌良が、代々木公園で、弾き語りをする、今から」という意味。

そんな「いつ・どこで・だれが・なにをする?」を理解した瞬間、気がつくと筆者は自転車で走り出していた。おおよその場所は本人が配信で明かしていたので、それを頼りに現地へ向かう。18時40分頃、現着。

もう日はとっぷりと暮れ、代々木公園は暗闇に包まれていた。しかし、前を通る赤坂杉並線からほど近い大きな木の周囲に、黒い群衆が蠢(うごめ)いていた。そう、大石昌良さんと弾き語りを観に来た人々を発見した。

暗闇で蠢く群衆、その中心に大石昌良はいた。

連休中は至るところで音楽イベントが開催されていた。「JAPAN JAM」では『ぼっち・ざ・ろっく!』の結束バンドが、「VIVA LA ROCK」では星野源さんらが、SNS上を賑わせていた。

そうした中で、我らが大石昌良さんは、代々木公園にいた。筆者の到着地点ですでに数十人の大きな輪となった群衆に囲まれた中心に、黒いキャップとTシャツ、ジーンズ姿の大石昌良さんは、アコースティックギターを手に歌っていた。

集まった観客や配信の視聴者からリクエストを募る形で、様々な楽曲をパフォーマンス。普段のライブとは比べものにならない物理的な距離感の近さによって、観客とのコミュニケーションも盛んに行われていた。

「ピエロ」「オトモダチフィルム」など、大石昌良やオーイシマサヨシ名義の楽曲、さらには尾崎豊さんの「I LOVE YOU」なども歌唱。観客とのコール&レスポンスなども楽しんだ。

「キャバ嬢にも知られる存在に」弾き語りで決意新たに

夜の代々木公園はひんやりとしていて、あたり一面の暗闇がより一層肌寒さを加速させる。それでも大石昌良さんの周囲だけはぼんやりと明るく、さながら猛吹雪の中で見つけた山小屋のよう。

観客の首筋や衣服には汗がにじむ──その熱気は、通常のライブに勝るとも劣らない状態だった。最後はTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の主題歌であるOxTの「UNION」を歌い、野生の大石昌良による弾き語りとも言うべきゲリラライブは大団円を迎えた。

配信中、前日の加藤純一さんの配信で、キャバクラで働く女性に自身が知られていなかったことに触れた大石昌良さん。

この日、突発的に実施した弾き語りはそれが理由と冗談混じりに語りながら、「キャバ嬢にも知られるように頑張る」と誓いを新たにした。

オーイシマサヨシ名義では武道館ライブを成功させただけでなく、2025年には武道館ライブ第2弾が決定。

その先にある、さらに大きな会場でのライブや「NHK紅白歌合戦」への出場を果たした際には、この日の弾き語り配信がターニングポイントとして、後世に語り継がれるかもしれない……し、継がれないかもしれない。

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