和歌山県戦没者追悼式 和歌山市で開催

太平洋戦争で亡くなった和歌山県内の戦没者を追悼し平和を祈念する「和歌山県戦没者追悼式」がきょう(5月5日)、県民文化会館・大ホールで開かれ、400人が参列し、献花するなどしました。

これは、県遺族連合会が毎年行ってきた追悼式を和歌山県が引き継ぐ形で実施しているもので、県が主催するようになった2013年度以降、慰霊の対象を、旧軍人や軍属の戦没者に限らず、空襲などの戦災で犠牲になった人も含めています。

きょう午前11時から開かれた追悼式には、およそ410人が参列し、このうち、主催者や遺族会の役員、それに来賓らおよそ80人がステージ上に座り、献花しました。

式典では、全員で戦没者の霊に黙とうを捧げたあと、主催者を代表して、岸本周平(きしもと・しゅうへい)知事が式辞を述べ、「終戦以来、私たちのふるさとは、県民のたゆみない努力により、今日(こんにち)の平和と繁栄が築かれたが、この平和な生活が、多くの苦難の上に築かれたものであることを忘れてはならない。ここに、恒久平和の実現と、和歌山県のさらなる発展を御霊の前にお誓い申し上げる」と決意を語りました。

また、県・遺族連合会の林康雄(はやし・やすお)会長が追悼の言葉を述べ、「いまや日本は、戦中、戦後の混乱期を知らない人が国民の大半を占める時代になった。今こそ、私たち戦没者遺族は、二度と同じ戦争を繰り返さないため、あの痛ましく悲しい戦争や、その後、遺族が歩まなければならなかったいばらの道を平和の語り部として、次の世代へと、風化させることなく、しっかり語り継いでいかねばならない。そのため、私たち遺族会は、今後、数年をかけて先の大戦の記憶や教訓を、どうすれば、戦争経験のない若い人たちにうまく伝えることができるか、研究を重ねていかなければならない」と語りました。

式典では、知事や県議会議員、遺族会の代表らが祭壇に花を手向けたあと、岩出市遺族連合会が制作した戦没者追悼の歌「すべてを捧げて」を、和歌山県在住の声楽家、瑞樹比美香(たまき・ひみか)さんがピアノ伴奏にあわせて歌い、参列者が平和への思いをあらたにしていました。

追悼の歌を歌う瑞樹さん

参列者も『ふるさと』を歌った・・・

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