「半分以上の子が中体連出身」の検見川が初の関東大会へ!秋山大樹監督は恩師の目標を達成し涙

検見川の秋山大樹監督

 自身が生徒だった時に恩師と達成できなかった目標。その目標である関東大会出場を決め、検見川OBの秋山大樹監督の目には熱いものがこみ上げていた。

 5月3日、ゼットエーオリプリスタジアムで開催された令和6年度関東高校サッカー大会千葉予選の準決勝第2試合で、検見川が2-1で格上の日体大柏を下し関東大会初出場を決めた。

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 試合後、秋山監督は「前回の試合に続いて(準々決勝の八千代戦)、チャレンジがないと戦えない相手なので、そこに向かって選手たちが一生懸命戦って走ってくれた」と試合を振り返った。

検見川の横断幕

 そして「引いて守っていたら苦しくなるのはわかっていたので、引かずにしっかり戦おうと。その中でも、ただガムシャラに戦うんじゃなくて、しっかり制限を掛けてボールを奪うとか、その辺のルールは決めながら試合に入った」と格上である日体大柏に対し、引いて守るのではなく、攻守にわたり攻撃的に行くことを選手たちに求めた。

 その指揮官の方針通り、選手たちは強敵相手に臆することなく挑み、勇敢に戦った。

 「半分以上の子が中体連出身なので上手さはないんですが、彼らが普段の練習から真面目に実直にやってきたところはチームの誇れるところ。環境も決して恵まれている訳ではない中で、自分たちで考えながらやろうと話もしながら、当たり前のように一生懸命やってきた。前任の水庫(現・JFAコーチ)が来てから、"簡単に負けるほど弱くはないぞ"と自分たちなりのプライドを持てるように、ひとつひとつやってきたので、そのおかげかなと思います」

 "簡単に負けるほど弱くないぞ"という検見川プライド。長い間積み上げてきた伝統ともいえる、この目には見えない力が、この快挙を生み出した瞬間でもあった。

 「前任の水庫が来た時に自分は学生だったんですけども、県リーグ1部に上がること、(選手権で)ベスト8に入ること、関東大会に出ること、の3つの目標を立てて、関東大会出場の目標だけ達成できないまま退任されたので、自分が母校に戻って来て、それだけは選手たちと達成させたいと思っていた。応援も沢山来てもらってありがたかったです」と、涙した理由を語った秋山監督。

 「普通科しかない県立の高校ですので、チャレンジャーであることは変わりはないので、チャレンジすることで色んなことを学んで、成長してくれればと思います」

 関東大会という初の舞台でもやることは変わらない。地に足を着け、検見川はチャレンジャーとして相手に挑む。

 準決勝を勝ち抜いた検見川は6日に習志野と決勝を戦い、5月25日から千葉県内で行われる関東大会に出場する。

 (文・写真=会田健司)

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