鹿児島県西之表市の安城校区内で2日、歴史探訪のフィールドワークがあった。古代から近現代まで市内有数の遺跡や史跡が残っており、安城小学校の児童17人が約2時間かけて巡りながら、案内人の解説に耳を傾けた。
今年創立150年を迎えるに当たり、地元の歴史、文化に触れてもらうのが狙い。4月に刊行された「西之表市史」で、調査研究に関わった市職員の荒河翼さん(33)が案内した。
同校区は、県道沿いで縄文時代の遺跡が多数見つかっている。神社には室町時代の草相撲の名力士が担いだといわれる「力石」も残る。明治期は島外から多くの移住者が詰めかけ、集落を開墾した歴史がある。
「力石を持ち上げようとしたけど全然動かない。昔の人のすごさがわかった」と6年の里和奏さん。東京から昨春転入した4年楠原匠翔君は「安城は自然も歴史もいっぱい。ここで暮らすのがもっと楽しみになった」と話した。
フィールドワークには保護者も参加。荒河さんは「安城の6集落にそれぞれ歴史がある。それを語り継いでいくのは子どもたちの役割だと思うので、いっぱい勉強してほしい」と呼びかけた。