〈ガルガンチュア音楽祭〉「紅白」で終幕華々しく 過去最多12万人超来場

音楽祭を華々しく締めくくった「紅白歌合戦」の出演者=金沢市の石川県立音楽堂

  ●映画音楽、名場面に引き込む 北陸で計185公演

 ガルガンチュア音楽祭(北國新聞社特別協力)は5日、最終日を迎えた。金沢市の石川県立音楽堂では「紅白歌合戦」が催され、歌手15人がミュージカルと映画音楽のヒットパレードで歌声を競い、8日間にわたる音楽の祭典を華々しく締めくくった。能登半島地震の被災地支援を掲げ、北陸三県で185公演が行われ、来場者は過去最多の12万4127人(主催者発表)となった。

 音楽祭は英国のオックスフォード・フィルハーモニー管弦楽団、バイオリニストのHIMARIさんら国内外の一流奏者が集結した。

 来場者数は新幹線が金沢開業した2015年の12万2千人超を約2千人上回った。米英の音楽をテーマに、クラシックにとどまらず、アニメ、ミュージカル、映画とジャンルを広げたことから、若い世代をはじめ幅広い年齢層の人が足を運んだ。

 能登産品販売ブースの設置や、入場料の一部を義援金に充てるなど被災地支援に力を入れたことも来場者増につながったという。

 紅白歌合戦では「陸自の歌姫」ことソプラノの鶫(つぐみ)真衣さん、石川公美さん、木村綾子さん、熊田祥子さん、メゾソプラノの前澤歌穂さん、ブロードウェー俳優の由水南さんら県出身者が多数出演。「ウエスト・サイド・ストーリー」「アラジン」などで聴衆を映画の名場面へ引き込んだ。モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」では被災地を思い、祈りの歌声を広げた。

 管弦楽はオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)とガルガン・アンサンブルが務め、紅組は天沼裕子さん、白組は沼尻竜典さんが指揮を務めた。実行委員会の池辺晋一郎会長ら審査員10人と客席の判定で4年連続で紅組が勝利した。

 大阪フィルハーモニー交響楽団は「ハリー・ポッター」「スター・ウォーズ」のテーマなど映画音楽で迫力の演奏を披露。「シンドラーのリスト」ではバイオリンソロが映像や言葉で伝えきれない心情を表現した。

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