蝉川泰果が米ツアー自己最高9位 イーグル披露で納得の「64」

米ツアー初のトップ10を決めた蝉川泰果(Sam Hodde/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・CJカップ バイロン・ネルソン 最終日(5日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7414yd(パー71)

手応えを感じる一週間になった。28位から出た蝉川泰果は1イーグル7バーディ、2ボギーの「64」をマーク。通算18アンダーまでスコアを伸ばし、米ツアー出場10戦目で今年1月「ソニーオープン」の30位を更新する自己ベスト9位でフィニッシュした。

初日「64」で2日目は「68」。3日目も「70」と3ラウンド連続のアンダーパーに、調子が上がっている実感があったという。「抑えのショットしかやらなかったけど、フルショットを解禁しても良いかなって。久々にフィーリング良く、自分が思ったようなプレーが結構できた」と納得の表情。この日、ティからグリーンまでのショットのスコア貢献度を示す「ストロークゲインド・ティ・トゥ・グリーン」は全体1位(3.709)だった。

後半で怒涛のチャージを見せた。パー5の5番できっちりバーディを獲り、6番ではフェアウェイから43ydの2打目を放り込んだ。ロフト角60度のウェッジショットは手前から攻めてカップに吸い込まれた。イーグルにギャラリーも興奮し、歓声が挙がる。7、9番もバーディを奪い、上がり5ホールで5つ伸ばし、リーダーボードを駆け上がった。

「自分の思い通りの球で出せたスコア。ショットの技術だったり、アプローチ、パターのレベルが少しは上がってきているかな」と喜ぶ反面「でも、やっぱり優勝はできたなって」との思いもある。前半12番の3パット、15番(パー3)の2オン2パットと、防げなかった2ボギーが悔しい。

「こっち(PGAツアー)の選手だったらしっかりパーを取ってくるような状況でボギーを打った。その辺もしっかりもっともっとアプローチ、パターと上手くなっていきたい。そういうところでセーブできるようになっていければ通用できるんじゃないかな」

トップ10に入ったことで次週、シグニチャーイベント(昇格大会)「ウェルズファーゴ選手権」の“裏開催”にあたる「マートルビーチクラシック」(9日開幕/サウスカロライナ州・デューンズゴルフ&ビーチクラブ)の出場権を得た。しかし、ディフェンディングチャンピオンとして迎える国内ツアー「関西オープン」(滋賀・名神八日市CC)が2週後(16日開幕)に控える悩ましさもあり、即断しきれないようだ。

「いま調子が良い感じなので来週も出たほうが良いかなとかは思うけど、体調面だったり、メンタル面を考えながら試合に向かうことがすごく大事って先輩たちの姿勢から学んだ」。より強くなりたいからこそ、慎重に。「絶対にいまの調子を崩さないように」という思いを胸にスケジュールを組んでいく。 (テキサス州ダラス/石井操)

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