苦渋の判断…8メートル超の強風で大凧あげ中止に 先行の小凧、操縦できず落下 2023年の事故受け安全対策

今年から江戸川の土手に設置された風速計。午後3時を過ぎると風速は8メートルを超え、大凧あげは中止になった=5日、埼玉県春日部市

 埼玉県春日部市の「大凧(おおだこ)あげ祭り」は5日、江戸川河川敷で祭り2日目が行われたが、風が強くメインイベントの大凧あげを中止した。

 毎年5月3日と5日に揚げられる大凧は縦15メートル、横11メートル、重さ800キロあり、昨年は大凧が近くの住宅の屋根に落下する事故があった。安全対策として市は、風速8メートル以上の場合、大凧を揚げないなどのルールを決めた。

 庄和大凧文化保存会によると、3日は程よい風が吹いて大凧は揚がったが、5日は午後2時過ぎから風速7メートルを超える風が吹き、時折8メートルを超えた。揚げられた小凧(縦6メートル、横4メートル、重さ150キロ)は上空の風が不安定で、操縦できないまま落下した。風は徐々に強くなり、午後3時半過ぎ、中止が決まった。

 保存会の川島栄会長は「上空は風が巻いていた。(風速が)8メートルを超え、苦渋の判断だった」と話した。

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