ボリューム満点! 五目焼きそばにシンプルチャーハン…コロナ禍越え、新たな挑戦も 吉川の「きんすい」

1番人気の五目焼きそば(上)。次に注文が多いチャーハン(右)とギョーザ

 現在2代目の大沢智洋さん(39)の父親である昭司さん(72)が1971年に創業した。智洋さんは調理専門学校を卒業後、中華料理店で8年間の修業を積み、28歳の時に実家へ戻った。

 1番人気は創業当時からメニューに並ぶ五目焼きそば(990円)。ニンジン、ハクサイ、なると、豚肉などであんを作り、焦げ目の付いた麺の上にかける。大皿からはみ出るほどのボリュームで、常連客をとりこにしている。続いて人気なのがチャーハン(770円)。油を控えめにし、塩こしょうでシンプルに味付け。こちらもボリュームが売りで、ご飯は約300グラムある。

 智洋さんが父親から店を継いだのは2019年。当時は新型コロナウイルス流行初期で、いきなり苦境に立たされた。ランチタイムはいつも満席状態だった店内が一変し、客は1日数人程度。「店を閉めようか」と智洋さんは本気で悩んだ。

 創業から約半世紀を超える吉川の老舗町中華。常連客は味を忘れていなかった。コロナ禍でも必ず来店してくれる客がおり、「愛情込めて料理を提供するだけ」と智洋さん。必死に鍋を振り続けた。

 現在、客足は徐々に回復。店は智洋さんの両親と、妻の真梨さん(39)の4人で切り盛りしている。

 新たな挑戦も続ける。智洋さんは父親から譲り受けたレシピを大切に守りつつも、自分なりにアレンジ。創業当時からの味を少しずつ進化させている。「(コロナ禍で)地獄を見ていた中、お客さんに助けられた。進化した味を食べてもらい、もっと愛される店にしたい」と智洋さんは話している。

【主な人気メニュー】 レバニラいため(900円)、酢豚(大皿3~4人前1500円)、焼肉定食(1200円)、担々メン(千円)、豚肉うまに定食(1100円)、ラーメン(770円)。

【メモ】 きんすい 吉川市栄町1552(電話048.982.1549)。営業時間は午前11時~午後2時、午後5時~同9時。定休日は水曜日。駐車場約15台あり。座敷席も完備。

2代目の大沢智洋さん=埼玉県吉川市栄町

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