福島県石川町の官製談合事件 複数業者で受注調整か 県警、他入札にも捜査拡大

 福島県石川町発注道路工事の指名競争入札を巡る官製談合容疑事件で、複数の業者が秘密事項の予定価格などを共有した上で、入札前に受注予定者や入札価格を決める「受注調整」をしていた疑いがあることが5日、関係者への取材で分かった。県警は、不正に入手した入札情報を基に、町発注工事での受注の振り分けが常態化していた可能性があるとみて、他の入札にも捜査対象を広げ、同様の官製談合がなかったかを慎重に調べている。

 捜査関係者によると、町内の土木会社「志賀建設」の元社員で無職関根徳夫容疑者(69)=石川町境ノ内、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕=と元役員でコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上、同=は、石川町長の塩田金次郎容疑者(76)=石川町形見字道橋、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕=から不正に得た予定価格などの入札情報を社外の複数人に伝え、共有していたとみられる。

 関係者の話では、業者らは、秘密事項の予定価格などを共有した上で、応札業者の入札価格を決めるなど、受注予定者が確実に落札できるよう事前に調整していた可能性があるという。県警も同様の情報を把握しており、情報漏えいの範囲や逮捕容疑以外の入札での不正がなかったか、金品の授受などの見返りがなかったかなどを調べている。

 町によると、逮捕容疑となった2022(令和4)年9月の町道116号線道路改良工事の入札では、志賀建設を含め3社が応札し、同社が落札率98.6%で落札している。

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