DTMがル・マンに配慮しスケジュール変更。オランダから“テストデーへの往復”が可能に

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、ル・マン24時間レースのテストデーと日程が重複している6月のザントフォールト戦について、日曜日のレースのタイムスケジュールを変更することを明らかにした。

 WEC世界耐久選手権の第4戦にも数えられるル・マン24時間レースは、6月15〜16日に行われる決勝レースに先立ち、1週前の6月9日日曜日にサルト・サーキットで6時間にわたるテストデーのセッションを設けている。

 一方のDTMは6月7〜9日にオランダのザントフォールトにおいて、土曜日にレース1、日曜日にレース2という、通常どおりのフォーマットでの第3戦を予定していた。

 これは、ル・マンとDTMの双方に出場するドライバーが影響を受けることを意味している。現時点では、BMWドライバーのシェルドン・ファン・デル・リンデ、マルコ・ウィットマン、レネ・ラストに加えて、ジャック・エイトケン、ケルビン・ファン・デル・リンデ、ミルコ・ボルトロッティという6名だ。

 このため、BMWはスケジュールの変更をDTM主催者のADACドイツ自動車連盟と協議していることを以前に明かしていた。

BMWワークスドライバーのレネ・ラスト

 ADACの広報担当者はSportscar365に対し、両シリーズに参戦するドライバーがザントフォールトでのレースとル・マンのテストデー双方に参加することを認める合意に達したと明かした。

 これを達成するために、ADACは日曜日のレースのスタート時間を3時間遅らせることを決定。従来の13時30分から、16時30分へとスタート時刻を変更することになった。

 これにより、6名のドライバーたちは土曜日に通常のDTMのレースプログラムを消化した後、ル・マンへと向かい、翌朝のテストデーに参加することが可能となる。そして日曜日の朝10時から始まるセッション1でサルト・サーキットを周回した後にザントフォールトへと戻り、DTMのレース2を戦うことができる。

 また、スケジュール変更の一環として、通常レース当日の午前中に行われるDTMのレース2の予選が、金曜日の午後へと移されることになった。土曜日のスケジュールには変更がない。

 Sportscar365に提供されたADACの声明には、「我々はこの件についてチームやマニュファクチャラーと数カ月にわたって話し合い、最終的にこのシナリオに同意した」と書かれている。

「そうしなければ、マニュファクチャラーがテストデーに参加することを義務付けることにより、何人かのドライバーがザントフォールト・ラウンドを欠場しなければならない危険があっただろう」

「新しいスケジュールにより、すべてのドライバーがザントフォールトでレースに出場できることが保証され、オランダでは強力なグリッドが確保される」

 なお、このADACによる解決策は、BMW Mモータースポーツのディレクターであるアンドレアス・ルースが3月に「ザントフォールトで2~3時間早くレースがしたい」と示唆していたものとは、著しく異なっている。

2023年、100周年記念大会として盛り上がりを見せたル・マン24時間レースのテストデー

投稿 DTMがル・マンに配慮しスケジュール変更。オランダから“テストデーへの往復”が可能にautosport web に最初に表示されました。

© 株式会社三栄