【映画】『帰ってきた あぶない刑事』70歳を過ぎてもダンディ&キュート! あぶ刑事たちが帰って来た!

通称「あぶ刑事(デカ)」でお馴染みの「あぶない刑事(デカ)」の新作映画が8年ぶりに公開される。クルマ好きでも楽しめる「あぶ刑事」新作の見どころを、映画評論家の永田よしのり氏に語ってもらおう。(Ⓒ2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会)

8年ぶりに8本目の新作映画として登場!

C2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

「あぶないマネするからデカなんだよ!」というところからタイトルにもなった『あぶない刑事』=通称『あぶ刑事』。

その始まりは1986年10月スタートのTVドラマ。当時の最高視聴率は26.4%という大人気ぶり。翌1987年には劇場映画化された。読者諸氏は刑事ドラマの映画化というと、記録的大ヒットとなった『踊る大捜査線』シリーズ(TVドラマの初放送は1997年1月)をまず思い浮かべるかもしれないが、実は『あぶ刑事』の方が約10年も早いのだ。まさにTVドラマから劇場版というスタイルの先駆者と呼んでもいいだろう。

そんな『あぶ刑事』シリーズ。映画化は実に8本目。新作映画としても前作『さらば あぶない刑事』から8年ぶりの新作が登場となった。

主役刑事コンビはもちろん、舘ひろし演じる鷹山敏樹・通称タカ & 柴田恭兵演じる大下勇次・通称ユージのあぶ刑事コンビ。2人とも実年齢はとっくに70歳を超えているというのに、アクションもキレキレ、クール&ダンディなスタイルはそのままで観客の前に登場してくれる。

C2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

物語の舞台は横浜。観光スポットから名所、裏町通りまで、横浜在住の人ならば知らない場所はないであろうメジャーなポイントでロケ。そんな横浜の夜景も楽しみながら、タカ&ユージの復活に喝采を送りたくなる1本に仕上がっている。

定年退職後、ニュージーランドで探偵事務所を開いていた鷹山(タカ)と大下(ユージ)。だが、とあることから探偵免許を剥奪され、8年ぶりに日本・横浜に帰って来ることに。懐かしさに耽る間もなく、事件に首を突っ込み始める。

新しく開業したT&Y探偵事務所に母親探しの依頼に来た美女・彩夏は、実は自分たちの娘なのでは?という疑惑まで。過去の思い出と仲間たちを巻き込みながら、横浜の街で拡大し始める陰謀。彩夏までもが事件に巻き込まれたことで、今までのようにタカ&ユージの刑事&ダンディ魂に火が点いた・・・!

お馴染みのレパードやハーレーダビッドソンも活躍!

C2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

『あぶ刑事』といえばタカ&ユージのアクションにも注目だ。近年、007ことジェームズ・ボンドが、任務遂行のために使用していたかつての愛車であるアストンマーティンを倉庫から復活させたように、幾多のアクションシーンで活躍したユージの愛車、1987年型の日産 レパード(F31前期型)3.0 アルティマを、現在は横浜港署捜査課長の仲村トオル演じる町田が、元先輩刑事であるユージのために倉庫から引っ張り出してくる。他にもY30型 セドリック、Z31型 フェアレディZにR35型 GT-R NISMO、NV200 タクシーなど、日産車が何車種も登場。

もちろんタカの愛車であるハーレーダビッドソンも映画後半に満を持して颯爽と現れる(手放し運転での射撃シーンも健在!)。1980年代から最近作まで見ている『あぶ刑事』ファンなら、「そうそう! そうでなくっちゃ!」の、まさにツボを突いてくるシーンのオンパレードなのだ。

アクションだけではなく、お馴染みのメンバーたちも勢揃い。笑いもアクションもちょっとした感動も混じえて、まさに往年の『あぶ刑事』の世界観は健在。製作サイドの『あぶ刑事』愛もあふれている本作品は、懐メロでありながら現代の日本も感じさせてくれる、まさに娯楽作品として成立している1本に仕上がっている。(文:永田よしのり)

C2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

●2024年5月24日(金)公開
●監督:原廣利
●出演:柴田恭兵、舘ひろし、仲村トオル、浅野温子、土屋太鳳、ほか
●配給:東映
Ⓒ2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

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