「最後にお別れを」多くの惜しむ声 イトーヨーカドー福島店が閉店 駅前空洞化の懸念も

2024年5月6日午後7時、39年の歴史に幕を下ろしたイトーヨーカドー福島店。印象的だったのは「最後にお別れを」と訪れる人が多かったことだ。

<最後の営業日>
6日は午前10時の開店と同時に買い物客が続々と店内へ…反対側の入口では、駐車場に入る車で混雑した。
訪れた人に話を聞くと「思い出として、とっておこうと思って写真を撮りました」「ポッポのポテトが思い出の味なので、最後に食べたいと思います」「私も福島に嫁いできて40年利用させていただきましたけど、ちょっと寂しいです」との声が聞かれた。
一足早く午後6時に閉店した、店舗内のファストフードショップ「ポッポ」には、定番のフライドポテトを最後にもう一度味わおうと長い列が出来ていた。
また、二階には「迷子になった子ども時代が懐かしい。たくさんの思い出をありがとう」などのメッセージが壁一面に寄せられていた。

<1985年1月23日オープン>
イトーヨーカドー福島店がオープンしたのは、1985年1月23日。食料品から衣料品まで取り揃える総合スーパーとして、イトーヨーカドーの開店は大きく注目された。
オープン前、店の前はものすごい人だかりを作るほどだった。

<閉店を惜しむ人が続々>
そして、かつての賑わいが戻ったかのような39年後の2024年5月6日。
たこ焼きパーティーの食材を買いに来た大学生は「駅にも近いし、手頃な価格だし、なくなって悲しい。学生の味方」と話す。
また1989年の福島大学入学から4年間アルバイトをしていたという男性は、茨城県から駆けつけたという。「正直言って残念です。アルバイトしていた当時の人もまだ残っていますので、ご挨拶がてら。この後は一応閉店までいます。最後は一応見送りしないと、今までお世話になっていたので」と話した。

<近隣店舗も今後を心配>
イトーヨーカドーの隣に店舗を構える、テーラーうめみや。JR福島駅西口の歴史を見続けてきた店主の梅宮さんは「なくなるのは、きついよね。おじいちゃんおばあちゃんもいるし、マンションもあるし、ホテルもある。そういった方はどうするのだろうって」と話す。

今後懸念される、まちなかの空洞化。この場所がどう利用されるのかはまだ決まっていない。

© 福島テレビ