真っ昼間、お酒を飲んだ後の頭痛の原因が「かくれ脱水」かもしれない話。

「脱水症状は夏だけ気をつけていればいい」と思っていませんか?実は夏以外の季節でも、脱水症状の一つである「かくれ脱水」になる恐れがあります。危険なかくれ脱水を防ぐポイントを、「あんしん漢方」薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。

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かくれ脱水になる原因は?

かくれ脱水になる原因の1つ目は「発汗」です。春~初夏、気温や湿度が高くなって汗の量が増えることで、水分や塩分が失われて脱水状態になることがあります。

2つ目の原因は「乾燥」です。体液は汗や尿だけではなく、皮膚からの水分蒸発でも失われます。そのため、まだ比較的空気が乾燥している春~初夏にかけては、脱水状態に陥りやすくなります。

暑い夏や、空気の乾燥が激しい冬は意識的に水分を摂る人が多いと思いますが、今の時期は水分を積極的に摂る意識が低い人が多いのではないでしょうか。

からだの中に補給される水分が減ると、脱水状態になってしまうことがありますのでご注意ください。

注意が必要な症状は?

かくれ脱水になると、下記のような症状が起きやすいので注意しましょう。

・喉が渇き、口の中が粘つく

・体重が短時間で減少している

・尿の色が濃い

・便秘がちである

・病気ではないのに37度前後の微熱がある

・皮膚のハリがなくなり、靴下のゴムの跡が10分以上残る

このような状態は、かくれ脱水が始まっているサインです。放置すると頭痛や強い眠気、集中力の低下といった脱水の初期症状を起こす可能性があるので、水分を補給しましょう。

「かくれ脱水」を防ぐ3つのポイント

かくれ脱水にならないための3つのポイントを解説します。

①こまめな水分補給

かくれ脱水を防ぐ場合、こまめな水分補給が大切です。

必要な量には個人差がありますが、1日1.5Lを目安に水分を摂りましょう。頻度としては、2~3時間に1度水分補給をするように意識してください。

また、水分だけではなく塩分も摂取しましょう。塩分が失われると脚がつったり筋肉がけいれんしたり、体温が上昇する原因になりますよ。

②生活習慣の見直し

食欲がなくて食べなかったり、ダイエットで食事を抜いたりといった不規則な食生活が原因で水分が不足することもあります。食事から摂取する水分も大切なので、しっかり食べましょう。

また、お酒を飲むことによる利尿作用も脱水の原因となります。頭が痛くなったり気分が悪くなったりしたら、しっかり水分を摂ってくださいね。

③屋内では温度と湿度もチェック

前述の通り、乾燥によって皮膚から水分が失われて脱水状態となることもあります。屋内ではエアコンや加湿器を利用し、快適な温度や湿度を保ちましょう。

快適に感じる温度は人によって異なりますが、湿度は40~60%がおすすめだといわれていますよ。

また、ドライブ中はトイレに行くタイミングを掴みづらいため、水分を控えて、脱水状態になる人が多いといわれています。

車内は風通しが悪くて汗が蒸発しやすいため、脱水リスクの高い場所です。意識的に水を飲み、脱水症状を防ぎましょう。

脱水対策に漢方薬も大活躍!

脱水症状を防ぐためには、継続的なケアをしていくことが大切です。漢方薬は、体質改善を得意としているため、服用するだけで水分バランスの整ったからだを目指すことができます。

脱水対策には「胃腸の機能を回復し、水分の吸収をよくする」「水分代謝を改善し、余分な水分だけを外に出す」働きを持つ漢方薬を選びます。

脱水対策におすすめの漢方薬

・五苓散(ごれいさん):水分代謝を整える漢方薬です。むくみ、嘔吐、頭痛、下痢といった症状に用いられます。喉が渇き、尿量が少ない方におすすめです。

・六味丸(ろくみがん):からだのうるおいを補って生理機能を高める漢方薬です。むくみ、排尿困難、頻尿などに用いられます。手足のほてりがあったり、疲れやすく、口の渇きがある方におすすめです。

これらの漢方薬を服用することで、からだの水分代謝を整えて脱水症状を起こしづらいからだづくりができるでしょう。

ただし、漢方薬は体質や不調に原因に合っていないと、よい効果が見込めないだけではなく、思わぬ副作用が起きる場合もあります。

薬剤師が最新のAIを用いて最適な漢方薬を提案する「あんしん漢方」などのサービスもおすすめです。

あんしん漢方

文/あんしん漢方薬剤師 山形ゆかり●薬剤師・薬膳アドバイザー。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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