フルトン、井上尚弥と再戦希望「力を手に入れるのが待ちきれない」 昨年8回TKO負け、6月再起へ

世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、ルイス・ネリ相手に防衛に成功した井上尚弥【写真:荒川祐史】

井上尚弥がネリに6回TKO勝ち

ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・井上尚弥(大橋)がWBC1位の指名挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回1分22秒TKO勝ちした。昨年7月、同級転向初戦だった井上に8回TKO負けしたスティーブン・フルトン(米国)は自身のXで「再戦のために力を手に入れるのが待ちきれない」と、井上との再戦を希望していた。

34年ぶりに開催された東京Dボクシング興行。初回、ネリの左フックが井上の顎に着弾。尻もちをつき、試合ではまさかの人生初ダウンを奪われた。一瞬だけ時が止まった場内から悲鳴とどよめきが起き、再開後はロープに詰められるピンチ。早くも「尚弥!」コール。パンチを打ち返し、冷静さを取り戻した。2回はネリの打ち終わりに狙いすました左フックでダウンを奪い返し、挑戦者を見下ろした。

5回終盤にはロープに詰められたが、左フックで2度目のダウンを奪った。濃密な試合の決着は6回だ。井上の連打でネリが3度目のダウンを喫した。尻もちをつき、レフェリーストップ。モンスターはコーナーにのぼり、雄叫びを上げた。4万人から万雷の「尚弥!」コール。まさかのダウンを奪われる激戦を制し、陣営とともに安堵の笑みを浮かべた。

フルトンは試合中からXで「イノウエは調子が出てきた」と反応。決着後には「(笑)あれは良かった 再戦のために力を手に入れるのが待ちきれない」と再戦を希望する投稿をしていた。

フルトンは同級2団体統一王者だった昨年7月、井上と対戦して8回TKO負け。プロ初黒星で2つのベルトを失っている。6月15日(日本時間同16日)にフェザー級で再起戦を行うと米メディアが報じており、WBA世界同級2位のフルトンVS同級6位ルイス・ヌニェス(ドミニカ共和国)となるという。6月1日に試合を控えるWBA世界同級王者レイモンド・フォード(米国)が防衛に成功すれば、王座を返上する見込みとのこと。返上すればフルトン―ヌニェス戦が王座決定戦に昇格する可能性もある。

THE ANSWER編集部

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