全建/労務費の適正転嫁へ自主行動計画策定、2次以降取引も考慮を

全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、元請・下請双方の立場でとるべき行動を示した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する自主行動計画」を策定した。元請には価格転嫁を受け入れる取り組み方針を、経営トップが関与し決定するよう明記した。自主行動計画に関する相談は、1月に新設した「労働関係法令相談室」で受け付ける。
内閣官房と公正取引委員会連名の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(2023年11月策定)を踏まえ、自主行動計画をまとめた。
元請に対しては下請の労務費上昇分について、取引価格への転嫁を受け入れる取り組み方針に経営トップが関与し決めるほか、公共工事設計労務単価の改定などに応じ定期的に下請と協議の場を設けるよう求めた。サプライチェーン(供給網)全体で適切な価格転嫁も要請。1次下請との取引では、2次下請以降の取引も考慮しながら要請額の妥当性を判断することも明記した。
発注者への対応では設計労務単価改定といったタイミングでの交渉や、発注者からの価格提示を待たずに希望価格の提示を要請。価格提示には自社の労務費に加え、1次や2次以降の下請の労務費を考慮することなどを盛り込んだ。
1次下請の場合は元請を発注者、2次を1次とするなどし自主行動計画を準用する。

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