トンネル作業員、10年後に2割超減少/日建連推計、自動化など新技術導入推進

日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)はトンネル切羽の作業員減少対策として、掘削工事の自動化といった省人化技術などの現場実装に力を入れる。独自調査でトンネル切羽の作業員のうち40歳以上が7割超を占め、高齢化の進展が判明。作業員総数も10年後に2割超減少する見込み。日建連はトンネル工事の自動化に向け、新技術を活用する試行工事の導入を発注者に求めていく。
調査は1月に行った。日建連の山岳トンネル自動化専門部会構成企業の協力会社12社を対象に、切羽作業員の年齢構成などを調べた。
作業員の年齢構成は▽20~29歳=9・9%▽30~39歳=14・2%▽40~49歳=31・5%▽50~59歳=33・6%▽60~69歳=10・2%。若手・中堅に当たる20~30代の割合は24・1%にとどまり、残りの76・0%を40歳以上が占めた。さらに熟練技能者に絞って年齢構成を見ると、40歳以上が94・0%に上った。
1月時点の作業員全体の人数は987人。2034年には24年比23・6%減の754人と推計した。今後10年でさらなる人口減少や高齢による引退などにより、作業員数が大幅に減る見通しだ。
作業員減少が喫緊の課題となる中、日建連は「自動化を含めた新技術の実装は非常に重要」とし、新技術の現場実装に取り組む。新技術を活用した試行工事の導入について国土交通省ら発注機関への要望活動を展開する。
トンネルを含む工事全般では、新技術の現場導入に伴う必要経費を、発注者に負担してもらう仕組みづくりの検討も求めていく考えだ。

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