異業種からの「施工管理」求人が右肩上がり、中小・地方でも増加/リクルート調べ

異業種からの「施工管理」への転職が右肩上がりに--。転職サービス「リクルートエージェント」を手掛けるリクルートの調査で、こうした状況が明らかになった。2023年に同サービスを介し施工管理に転職した人数は、16年を1とした場合、同業種が2・95倍に対し、異業種出身は5・44倍と大きく伸びている。近年は異業種からの転職者が全体の約半分を占める。中小企業や地方企業で未経験からの転職を受け入れている状況があるという。
同サービスでの施工管理求人数は、16年比で23年は5・04倍に伸長。転職者数も23年は3・84倍と増えているものの、求人数に追いついていない。
同社は施工管理求人のうち、仕事名称または仕事内容に「未経験」という単語が含まれるケースを未経験者を採用対象とする求人と定義し、傾向を分析した。23年の未経験求人数は16年比で16・55倍と大幅に増えている。建設技術者を対象とする技術者派遣業界が、未経験者の採用を積極的に進めていることも影響しており、「派遣の存在感が高まっている」(同社)。
転職者数の推移を見えると、同業種と異業種とも右肩上がりだが、異業種からの方が顕著だ。16年比で見ると、異業種出身者は21年は3・20倍だったが、22年に4・41倍、23年に5・04倍と伸びが大きくなっている。
同職種出身と異業種出身の割合の推移を見ると、異業種は13年が22・8%で以降徐々に増え、18年には4割を突破。22年は52・5%、23年は49・9%と近年はほぼ半々となっている。
未経験からの転職者の地域別割合は、23年のデータで関東圏が39・4%、残り60・6%が関東圏以外。建設需要が特に大きい関東圏だけに偏っているわけではない。企業規模別では300人未満が60・7%を占め、300人以上1000人未満が9・6%、1000人以上が29・7%となっている。
建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、技術者確保が大きな課題となっている。同社は「未経験であっても活躍の可能性がある人材を採用し、社内で育てていくという人材戦略の転換を求められている」と指摘している。

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