【ソフトバンク】山川穂高のアーチ量産を予期していた王球団会長 前半戦26発ノルマに「いいね」

本塁打王争いで一歩抜け出したソフトバンク・山川穂高

大砲の野望に太鼓判だ。首位を快走するソフトバンクは6日の日本ハム戦(みずほペイペイ)に9―4の逆転勝ち。両リーグ最速で20勝に到達した。「4番・DH」で先発出場した山川穂高内野手(32)が2打席連続アーチを含む3打点の大暴れ。3回に一時逆転の7号2ランを放ち、5回は貴重な中押しとなる8号ソロを叩き込んで存在感を放った。

ともに若いカウントで直球を捉えての2連発だった。これには「僕の場合、真っすぐがくるカウントにしなきゃいけない」と自ら解説。第1打席では一球も直球がなく空振り三振に倒れたが、百戦錬磨の大砲は駆け引きを楽しむように勝負に勝ってみせた。

この日を含めてゴールデンウイークは計3発。状態の良さがうかがえる。予見していたのが王貞治球団会長(83)だった。先月30日の楽天戦の豪快な6号アーチを見届けた際に「ここからドンドン打ち始めるよ!」と量産傾向を予言。この日も「山川は打つよ。打つヤツは打つんだよ」と言い切った。さらに王会長は「ホームラン王だってコンスタントにはなかなか打てないもの。打ち出したらガーンといく。波があるのは当たり前だって思っておけばいい」と付け加え、停滞期はあるものの、それを上回る量産期到来を改めて示唆した。

開幕前に小久保監督は山川のノルマをこう明かしていた。「本人は去年の本塁打王の近藤(26本塁打)の数字を『前半でクリアします』ぐらい言っていた」。ここまで31試合で8発。シーズン換算では37発だが、王会長は今後のペースアップを確信している。「試合数からしたら十分可能な数字だからね。それ(前半戦で26発の目標)はいいね」。山川の野望に目を輝かせると同時に力強く背中を押した。

志高い大砲が日に日に頼もしさを増している。

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