孫はかわいいけれど「週の半分」の面倒は出費が大きい…頻度を減らしてもいいでしょうか?

半数以上は「孫育て」にモヤモヤを感じている

株式会社主婦の友社が、51~77歳の孫育てをしている女性121名を対象に行ったアンケートによると、「孫育てにモヤモヤと不満などを抱くことがある」と回答した人は52%もいるという結果になりました。

「モヤモヤを感じるとき」として挙げられた回答は、表1の通りです。

表1

※株式会社主婦の友社「孫育てに関する意識調査」を基に筆者作成

「モヤモヤを感じるとき」でもっとも多かったのが、自身の体調が良くないときや疲れているときでした。
「孫はかわいい」と思っていても、やはりその日のコンディション次第では負担に感じることがあるようです。
また子どもやその配偶者と意見の衝突があることも、モヤモヤの原因になっているようです。

孫の面倒を見る頻度

孫の面倒を見る頻度については、表2の回答が得られました。

表2

※株式会社主婦の友社「孫育てに関する意識調査」を基に筆者作成

1週間に4日以上孫の面倒を見ている人が、全体の16%にのぼりました。
約6人に1人が、週の半分以上も孫の子守りをしているようです。
一方、頻度が「月に数日」以下の家庭が半数以上にのぼります。

どのくらいの頻度になると負担に感じるかは人それぞれでしょう。
しかし同アンケートの「お孫さんとの時間も大切だが、自分のためにも時間を使いたいと思いますか?」という質問に対して、95.9%の人が「はい」と回答しています。
この点を踏まえると、やはり孫の子守りの頻度を多少なりとも気にする人が多いといえます。
もし孫の面倒を見る頻度が負担に感じる場合は、子どもに相談してみるとよいかもしれません。

半数以上が孫に年間10万円以上を使っている

孫の面倒を見る際には出費もそれなりにかかるようです。

「孫に年間いくら使うか」という質問に対して、53%が10万円以上を使っており、そのうち20万円以上使う人は32%もいました。
では出費をどう思っているかというと、「孫に使うお金を負担に感じるか」と尋ねたところ、28%が「はい」と答えています。

内閣府の資料によると、高齢者世帯における令和2年の1年間の平均所得金額は332万9000円ですが、もっとも多い所得階層は「150~200万円」です。
この所得階層にとっての「年間10万円」は約5%~6.7%の出費にあたります。
孫のための出費をどれくらい負担できるか検討する際は、得ている所得に対する割合を考慮するとよいかもしれません。

負担に感じることもあるが孫育てを楽しんでいる人が多数

同アンケートでは、孫の面倒を見ることに喜びを感じている人が多いことも明らかにしています。

孫の面倒を見ていてうれしく感じるときはいつか尋ねたところ、「孫の成長を感じる時」と回答した人が86%、「孫の笑顔を見た時」が84.3%、「孫が甘えてくれる時」が71.1%もいました。
いずれの回答も身近で孫の面倒を見ているときに感じられる瞬間でしょう。

時間やお金に関して少なからず負担を感じるとしても、孫のそばにいることは、やはり多くの人にとって楽しみであるようです。
もちろん、あまりにも負担に感じている場合は、子どもに相談することも検討できます。
モヤモヤをそのままにせず話し合うことで、気持ちがすっきりするかもしれません。

出典

株式会社主婦の友社 「孫育て」をしている女性の意識調査 (PR TIMES)
内閣府 令和5年版高齢社会白書 令和4年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況 第1章 高齢化の状況 第2節 高齢期の暮らしの動向 図1-2-1-3 高齢者世帯の所得階層別分布(16ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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