気候がよく、活動的になりたい時期なのに、五月病になったら台無しですよね。どういった原因で五月病になり、どのような症状が出るのでしょうか。「あんしん漢方」薬剤師の山形ゆかりさんに教えてもらいました。
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五月病とは
五月病は、新年度になり、新たな環境に適応するストレスによって気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったりする状態を指します。
環境の変化によって生活リズムが乱れたり、新しい人間関係の構築によってストレスがたまったりすることで、心身ともにストレスを感じることがあります。このようなストレスが五月病の主な原因とされています。
五月病の症状
五月病の症状には個人差がありますが、主な症状はこちらです。
・眠れない
・食欲がない
・動悸がする
・意欲が低下し、集中力が続かない
・不安感やイライラを抱えている
・人と会うのが疲れる
・普段よりもミスが増える
これらの症状の該当数が多いと、五月病の可能性が高いと考えられます。
一般的に、新しい環境や人間関係に慣れてストレスが減ると、五月病の症状も改善するでしょう。
一方、症状がいつまでも続いたり、日常生活に支障をきたしていたりする場合は、うつ病を発症している可能性があります。精神科あるいは心療内科の受診も検討してくださいね。
気持ちの幸福度をアップさせる方法
五月病にならないために、幸せ度をアップさせる主な方法を3つ紹介します。
①トリプトファンを摂る
トリプトファンは、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの原料となる必須アミノ酸です。セロトニンの分泌量が増えると自律神経のバランスが整い、リラックス効果が得られます。
そのためにはトリプトファンが必要ですが、トリプトファンは体内では合成できないため、食事から摂らなければなりません。
トリプトファンは豆腐や味噌といった大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品の他、バナナやピーナッツに多く含まれています。
普段の食事で意識的に摂り、トリプトファンやセロトニンを増やしましょう。
②日光を浴びる
網膜に日光が当たることでセロトニン神経が活性化し、セロトニンの分泌量が増えます。トリプトファンを含む食品を食べるだけではなく、日光を浴びてセロトニンを増やしましょう。
とくに、朝の光を浴びることが大切です。朝の光で生成されたセロトニンは、時間が経つとメラトニンというホルモンに変わります。
このメラトニンは睡眠の質を高める働きをするホルモンです。ぐっすり眠ってストレスを解消するためにも、朝の光を浴びてくださいね。
③リズム運動をする
ウォーキングやジョギング、水泳やサイクリングのように一定のリズムで行う運動によって、セロトニン神経を活性化させることで、セロトニンの分泌量が増えるといわれています。
普段から適度な運動をして、セロトニンの分泌量を増やしましょう。運動中に日光を浴びることでもセロトニンが生成されます。
また、適度な運動はリラックス効果もあります。気候がよい春だからこそ、運動を始めてみるのもいいのではないでしょうか。
憂鬱な気分のときは漢方薬に頼るのもおすすめ
五月病対策には、根本的な体質改善にアプローチする漢方薬の服用もおすすめです。
栄養バランスを考えたり運動したりすることに比べ、漢方薬なら服用するだけなので手軽に試せますよね。漢方薬は心療内科でも処方されていますよ。
五月病対策には、「神経の興奮を鎮めてストレスを緩和する」「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「気分の落ち込みを改善する」といった働きの漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
五月病対策におすすめの漢方薬2つ
五月病対策には以下の2つの漢方薬です。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):気分がふさぎ、喉に異物感を感じやすい方におすすめです。不安感や緊張感を軽減し、動悸やめまい、吐き気や胃炎の改善にも役立ちます。
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):胃腸が弱く、神経が高ぶってイライラしやすい方におすすめです。自律神経の興奮を抑えることで心身のバランスを整え、イライラだけでなく不眠や歯ぎしりの改善にも役立ちます。
このような漢方薬を活用して、環境の変化やストレスによって体調に異変があらわれやすい季節を上手に乗り切りましょう。
ただし、漢方薬は体質や不調に原因に合っていないと、よい効果が見込めないだけではなく、思わぬ副作用が起きる場合もあります。
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文/あんしん漢方薬剤師 山形ゆかり●薬剤師・薬膳アドバイザー。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。