魅せる体の作り方…人気ストリッパー翔田真央さんに聞いた

翔田真央さん(本人提供)

露出の多い夏を控え、自分の肌や体形が気になる季節がやってきた。だらしない身体を矯正するため、ジム通いを始めたり、ダイエットに励む人も多いだろう。では、日頃から自分の肉体を露出している人はどのようにケアしているのか? 今回は人気ストリッパーの翔田真央さんに話を聞いた。

「初めて見たストリップショーはイメージと全然違ってきれいでびっくりしました」

ロスジェネ世代(1970年~1984年ごろに生まれ、バブル崩壊後約10年間に就職活動を行った世代)の真央さんは、大学4年のときにスカウトされ、東京・渋谷のストリップ劇場「道頓堀劇場」で初舞台を踏んだ。2004年9月21日のことだ。年を重ねるうちにこの仕事がどんどん好きになり、今年デビュー20周年を迎える。

「美脚舞姫というキャッチフレーズをつけてもらうこともあったりしました」

いかに踊り子とはいえ、若い頃と同じような生活を送っていては、加齢と共に余計なところに肉がついてしまう宿命からは逃れられない。

「気がつくと“わがままボディ”気味になって、衣装がキツくなることも……(汗)」

■日頃から身体を動かし美肌・体形・健康エロスをキープ

仕事柄“体形維持”には敏感だ。真央さんは健康エロスを持論にしている。

「女性の体形はスレンダーな方が理想と思う方もいると思いますが、ストリップの舞台に立つ身としては、少しくらい肉付きがいいほうが官能的で色っぽく見えるのではと思っています」

そんな真央さんだから、ダイエットのために無理やり食事制限することは基本的にはない。それよりも日常的に体を動かし、運動することで消費カロリーを増やすことを心がけている。

30代の頃から趣味で走り始めた。そのうち走ることが楽しくなり、フルマラソンにエントリーする。初マラソンは2014年のホノルルマラソン。このときに誓ったことがある。

「もし4時間を切ったら次はトライアスロンに挑戦しよう」

結果は3時間52分で完走。見事“サブ4”を記録した。

帰国後、さっそく競技用のバイクを購入して走り始めた。

「スイミングは小学生のころに水泳部でやっていたから自信はあったし、自転車で走るのも楽しくなって……(笑)」

2019年にはオーストラリアのケインズで開催された「トライアスロン大会(ロング)」にも出場し、スイム3.8キロ、自転車180キロ、ランニング42キロを完走した。

ケガをしない身体に改造しようとピラティスを始める

好きなものにはどっぷりつかってしまう真央さん。練習のしすぎで股関節を痛めてしまったことがある。踊り子にとって股関節はとても大切な部位。踊るのもままならず、舞台に穴を開けてしまう……そんな危機に直面したが、ブロック注射や痛み止めを打ってなんとか舞台は務め上げた。

「生まれつき丈夫でケガとは無縁だと思っていたからショックで……。ケガをしない身体に改造しようと思って始めたのがピラティスなんです」

ピラティスはインナーマッスル、体幹を鍛えるのでムキムキにならず引き締まったきれいな身体作りができる。そのうえ、身体のバランスが良くなりケガもしづらくなる。2020年には「ピラティストレーナー」の資格も取得し、さらに上位の資格を取るために勉強中だ。

「ケガの防止だけでなく、加齢でお尻が垂れるようなことも防げるし、姿勢も良くスッと立てる。日常生活にもステージ生活にも役立ちます」

マラソン、トライアスロン、ピラティス……日頃から身体を動かし続けてきたおかげか、特別に高価な化粧水やクリームなどを使って手入れしなくても、きれいな肌をキープできているという。

「20代の頃の写真を見ると、肌もピチピチして若いなあって思うけど……。いまは人生経験も積んで、若いころにはなかったような大人の色気が自然にでるようになった」

■男性客に“この女を抱きたい”と思わせてなんぼ

5年ほど前からストリップ劇場の客席の様子が目に見えて変わってきた。“スト女”と呼ばれる女性客が増えてきたのだ。

「女性客はきれいでかっこいいステージを楽しみに来てくれる。ストリップはアートだと言われることもありますが、私はプラスアルファが必要だと思う。言葉は悪いけど、男性客に“この女を抱きたい”と思わせてなんぼかなって……(笑)」

真央さんは今も、1年のうち200日あまりストリップの舞台に立ち続けている。

▽翔田真央(しょうだ・まお) ストリッパー。今年9月にデビュー20周年を迎える売れっ子。趣味はけん玉、料理、ピラティス。

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