国見山森林公園(福島県南相馬市)リニューアル 観光名所の復活に喜び

 福島県南相馬市原町区のシンボルとして親しまれてきた国見山(標高564メートル)にリニューアルされた森林公園で6日、オープン記念イベントが催された。登山団体の案内で地元の小学生らが山頂までの散策を楽しんだ。関係者は市内の観光名所の復活に喜びを新たにした。

 国見山は市内の小中学校、高校の校歌に登場し、古くから市民に愛され、登山スポットにもなっていた。森林公園は山の中腹を通る林道国見山線沿いに設けられている。

 国見山一帯は2011(平成23)年の東京電力福島第1原発事故により放射線量が高くなり、立ち入り禁止となった。2018年に国の里山再生モデル事業のモデル地区に選定され、遊歩道や多目的広場などの除染と森林整備が行われた。林道は2019(令和元)年10月の台風被害に伴う復旧作業を経て、今年4月に原発事故以来、13年ぶりに再開通した。市は老朽化が進んでいた森林公園の展望台や多目的広場、国見山山頂への登山道などを修繕した。

 イベントには地元の石神二小の児童や保護者、登山愛好者ら約70人が参加した。登山団体の若草山岳会、国見山に親しむ会のメンバーの案内で3班に分かれ、公園から山頂を巡る散策を繰り広げた。1時間30分ほどかけて到着した山頂からは、市街地や太平洋が眺望でき、参加者は絶景に歓声を上げていた。家族と参加した七海結音さん(石神二小3年)は「登るのは大変だったけど、きれいな景色を見ることができ楽しかった」と話していた。

 開会セレモニーでは門馬和夫市長、環境省福島地方環境事務所の関谷毅史所長、復興庁福島復興局の荒井崇局長らがテープカットや記念植樹をして、公園再開を祝った。

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