ウォッシュト・アウト、OpenAIのSoraを使用した「The Hardest Part」のMV公開

アーネスト・グリーンことウォッシュト・アウトが、ニュー・アルバム『ノーツ・フロム・ア・クワイエット・ライフ』のリード・シングル「The Hardest Part」をリリースした。

多分野にまたがるアーティスト、ライター、ディレクターのポール・トリロを監督に起用したミュージック・ビデオは、OpenAIのSoraを使用して制作された。アーティストと映像作家の初のコラボレーションであり、完全にこのテクノロジーを利用している。

「このビデオのコンセプトは10年前に思いついた。それは、何十年にもわたって、あるカップルの人生を無限にズームしていくというものだけど、ミュージック・ビデオとしては野心的すぎると思って、まだ挑戦していなかった。この技術(Sora)は、実験的で最先端ではあるけれど、その過程でどんな技術が使われようとも、見る人の注意を引きつけるような、クラシックなミュージック・ビデオのようなものを作りたかった。僕が特に興味を持ったのは、Soraのユニークな点だ。カメラで撮影することも、3Dアニメーションにすることもできない、この特殊な技術でしか存在し得ないものを提供している。AIの超現実的で幻覚的な側面は、夢にも思わなかったような新しいアイデアを探求し、発見することを可能にする。AIを使って現実を再現するだけではつまらない。僕はリアリズムではなく、超現実的なものを撮ることに興味があった。さまざまなシーンが流動的に混ざり合い、融合していく様子は、私たちが夢の中を移動する方法や記憶の混濁に似ているように感じる。このようなやり方は、モノの作り方に取って代わるものだと感じる人もいるかもしれないが、僕は、そうでなければ決して作れなかったアイデアを補うものだと考えている。この業界の多くのアーティストたちは、自分のアイデアと現実に何が作れるかを常に妥協し、交渉している。これは、音楽のアーティストに、より大きな夢を見る機会を与える未来を垣間見せてくれる。しかい、このテクニックに頼りすぎると、それは松葉杖になりかねない。このテクニックをクリエイションの新しい基準として使うのではなく、ツールベルトの中のもうひとつのテクニックとして使うことが重要だ」とポール・トリロは語る。

アーネスト・グリーンは、「“The Hardest Part”はノスタルジアと失われた愛についての物語だ。この物語を伝えるべく、真摯な方法で、エキサイティングで意外性のあるビデオを作りたかった。僕は長い間Paulのファンで、彼は単に衝撃や畏怖で物語を補うのではなく、物語を盛り上げる最先端の視覚効果を取り入れることに驚くほど長けている。 彼が生み出したものは、ノスタルジックで、悲しく、高揚感があり、しばしば非常に奇妙だ。しかし、それでも彼は登場人物に感情移入させ、彼らの人生がどのように進んでいくのかという旅に投資することに成功している。ポールが、このビデオはこの新しいAI技術を使わなければ作れなかった、と言っているのは正しいと思う。僕の意見では、Soraのクリップの幻覚的な質は、それ自体が新しいジャンルの始まりのような気がする。シュールで予測不可能な、従来の映画やアニメーションに全くないものだ」と述べている。

完全セルフ・プロデュースで、ネイサン・ボディ(ジェイムス・ブレイク、ムラ・マサ)とデヴィッド・レンチ(カリブー、フローレンス・アンド・ザ・マシーン)がミックスを手掛けた5枚目のアルバム『ノーツ・フロム・ア・クワイエット・ライフ』は6月28日にリリースされる。

◎リリース情報
アルバム『ノーツ・フロム・ア・クワイエット・ライフ』
2024/6/28 RELEASE

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