安心して過ごせる場が好評 伊勢に通所介護施設開所、築50年の古民家改装 三重

【古民家を改装した施設で利用者(右奥)と話す海瀬さん(左奥)らスタッフ=伊勢市小俣町明野の「古民家デイサービスセンター温」で】

 【伊勢】三重県伊勢市小俣町明野に3月、築50年の古民家を改装した「古民家デイサービスセンター温(つつむ)」が開所した。利用者が安心して過ごせるように工夫を凝らすとともに、介護に携わる利用者の家族の負担を軽減し、地域や医療と連携しながら、最期まで自宅での生活を継続できるよう支援する施設を目指していく。

 代表社員で管理者の海瀬武道さん(49)は、介護の現場で25年以上働いた経験を生かして通所介護施設を立ち上げるため、看護師で元同僚の藪木志保さん(55)と令和5年に合同会社「温」を設立。日本政策金融公庫伊勢支店から融資を受け、準備を進めた。

 施設となる物件を探し、「縁側があって利用者がいるところがイメージできた」という古民家を購入。改装は専門業者とともに、床を貼ったり壁を塗ったりして自分らができることを手伝った。

 施設にはリビングや機能訓練室、食堂を兼ねた部屋や事務所、相談室、静養室、浴室などを備えた。営業は月─金曜の午前9時―午後4時半。海瀬さんと藪木さん、介護職員で生活相談員の相川和久さん(41)の3人が、利用者に合わせたレクリエーションや機能訓練を行い、食事は手作りで提供。入浴は当日の気分や体調で時間を決める。

 機能訓練は、お皿を拭いたり茶葉を袋詰めしたりするなど、利用者ができることを楽しみながら実施。看護師の経験豊富な藪木さんが常時滞在し、健康観察やバイタルチェックのほか、ハンドマッサージもしてくれる。

 「利用者さんがやりたいことをやってもらい、笑って過ごしてもらいたい」と海瀬さん。開所から約2カ月がたち、「家にいるみたいで落ち着く」「ご飯がおいしい」など好評を得ているという。

 海瀬さんは「介護をする家族をデイサービスで支えられれば。今は週休2日だが、今後は交代制で年中無休でやりたい」と話した。

 問い合わせは同施設=電話0596(67)5363=へ。

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