「信じ祈る心大切」 元アナ僧侶髙橋さんが法話 二戸・天台寺で春の例大祭

天台寺の豆地蔵のかわいらしさに触れながら法話を行った髙橋美清さん(左)

 二戸市浄法寺町の名刹(めいさつ)・天台寺(菅野宏紹=こうしょう=住職)で5日、恒例の春の例大祭が開かれた。元フリーアナウンサーで天台宗僧侶の髙橋美清(びせい)さんによる、心温まる法話などが行われ、多くの来場者でにぎわった。

 髙橋さんはモデルや民放テレビ番組のキャスターを経験後、仏門に入った。群馬県伊勢崎市にある尋清(じんせい)寺の住職を務め、比叡山での修行を通じて学んだ心の在り方などをテーマに、各地で講演活動を展開する。

 天台寺では昨年10月の秋の例大祭でも法話を行い、好評だったため再び招かれた。今回は本堂前で「一隅を照らす~お地蔵さまに心寄せて~」と題し、ユーモアを交えながら仏の教えなどを紹介した。

 法話の前に、寺の霊園で名誉住職の故瀬戸内寂聴さんの墓参りをしたという髙橋さん。「墓に行く途中、境内でかわいらしい豆地蔵を見た。約240体あるが全て表情が異なり、地元の人にも本当に大切にされている」と印象を語った。

 地蔵は身近にいる菩薩(ぼさつ)で、広い慈悲の心を持ち、人間を導いてくれる存在だと説明。「今年は能登半島地震が発生したが、大変なことがあった時に何かを信じ、祈る心は大切だ。お地蔵さまに手を合わせ、自分と向き合うような静かな時間も必要だと思う」と説いた。

 この日は寺の御詠歌や舞楽、伝統の駒ケ嶺新山神楽の奉納や、みこし渡御なども行われた。

 菅野住職は「寺の開山1300年を4年後に控え、今年は市による寺周辺の環境整備も計画されており、ありがたく思う。例大祭などを通じ、機運を盛り上げていきたい」と話した。【全文】

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