【おもしろ小箱】No.253「牧野富太郎博士と山口博物館その2」

▲「ニジガハマギク」(牧野富太郎)

 2024年3月にこのコーナーで紹介した、植物学者の牧野富太郎博士と山口博物館の関係の続きです。

 牧野博士は、山口県にも何度か来県されていて、博士が山口県で採集したと思われる貴重な標本が、当館に二つ収蔵されています。

 そのうちの一つが、キク科の「ニジガハマギク」です。標本のラベルには「光市虹ヶ浜で牧野富太郎が採集した」、と記入されています。このニジガハマギクは、シマカンギクとノジギクの雑種と考えられており、光市虹ヶ浜で発見されたものを、実際に牧野博士が現地で確認し、博士自身が名付けたものです。

 4月25日から6月16日まで当館で開催している企画展「やまぐち植物さんぽ」では、山口県内を中心とした各地の植物を素晴らしい景観とともに紹介し、今回紹介したような貴重な標本や世界のふしぎな植物の果実なども展示します。 

 ぜひ奥深い植物の世界をお楽しみください。

山口県立山口博物館 植物担当 杉江 喜寿

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