長崎ヴェルカ「最高のゲーム」 京都に再延長105-102 バスケットB1最終節最終日

【京都―長崎ヴェルカ】第4クオーター8分、ヴェルカの馬場がドライブインからシュートを決めて79点目=島津アリーナ京都

 バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)最終節最終日は6日、京都市の島津アリーナ京都などで2試合が行われ、長崎ヴェルカは同じ西地区の京都に2度の延長の末、105-102で競り勝った。ヴェルカは通算27勝33敗の西地区6位でレギュラーシーズンを終えた。
 ヴェルカは序盤、シュート精度が悪かったが、11-12の8分からチャンのミドルシュート、狩俣の3点シュートなどで13点連取。第1クオーターを24-12で発進した。第2クオーターは一転、京都ペース。マークのずれを突かれ、外国人選手にインサイドで連続得点を許した。その後も苦しい時間が続いたが、ボンズのゴール下などで粘り、38-32とリードして前半を折り返した。
 ヴェルカは後半も流れを引き戻せず、64-62で第4クオーターへ。4分のボンズのバスケットカウントなどで74-67と差を広げたが、再び京都に反撃を許して83-83に追いつかれてタイムアップとなった。
 5分間の延長戦も一進一退の攻防が続く中、92-89の残り1秒で京都にハーフコートから3点シュート決められて再延長へ。6千人超が詰め掛けたスタンドの京都ファンは盛り上がったが、最後は馬場らが激しい守備から何度もスチールを決めると、勝負どころで松本、小針が加点して3点差で逃げ切った。
 B1はこの日でレギュラーシーズンの全日程を終了。西地区は名古屋Dが佐賀を80-68で退け、41勝19敗で地区優勝を決めた。勝敗数で並んだ昨季リーグ王者の琉球が、直接対決の結果で2位。名古屋Dと琉球、3位でワイルドカード2位の広島は5月10日に開幕するチャンピオンシップ(CS)に出場する。

◎たくましく 足跡残した1年目

 開幕時に掲げた「30勝」という目標は、道半ばで途絶えた。それでも、選手たちは戦う姿勢を崩さずに、最後まで走り続けた。今季の最終戦となったアウェー京都戦。長崎ヴェルカは2度の延長の末に105-102で競り勝ち、B1初年度を白星で締めくくった。
 延長に入った3試合はここまで全敗だった。そんな苦い経験を糧に、チームは最終戦で積み上げてきたバスケットを存分に披露した。
 持ち味の堅守から、小針、狩俣らがドライブで相手守備を崩して外角シュートで加点。リードされても焦らずに、全員が自らの役割に集中する。エースの馬場は流れを引き戻すのが自分の仕事と言わんばかりに、ここぞの場面の好守でチームを救った。「最高のゲーム」。試合後の前田監督の言葉が、この試合のすべてを物語っていた。
 今季はB2とのスピード感、組織力の違いから苦戦する時期も続いた。開幕から好スタートはしたものの、中盤戦は対策してきた相手に苦しみ、勝ち星を伸ばせなかった。そんな苦境に陥っても、一人一人が真摯(しんし)に課題と向き合い、負けてもただでは起きなかった。結果、終盤の10試合は7勝3敗。初参戦したB1のリーグ戦で、ヴェルカはたくましく成長した。
 開幕前、前田監督はこう口にしていた。「全国にヴェルカがどんなチームなのかを示していきたい」。27勝33敗。長崎が誇るバスケットチームは確かな足跡を残した。

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