大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

打ちまくり!(C)ロイター/USA TODAY Sports

相手チームにとって手が付けられない存在になってきた。

大谷翔平(29=ドジャース)が、日本時間6日のブレーブス戦で2本塁打を含む4打数4安打3打点の大暴れ。チーム全体の5安打のうち4安打を放ち、地区6連覇中という強豪相手の3連勝に貢献した。

「(1本目は)少し詰まり気味で、入ってくれたらいいという感じ。(中越えに放った今季自身最長141メートルの)2本目は完璧だった」とは試合後の本人。規格外の一発にロバーツ監督は「あそこまでは飛ばせるもんじゃない」と舌を巻いた。

今回の3連戦は計12打数8安打、3本塁打、6打点。いよいよ量産態勢に突入し、4月29日から5月5日までの週間MVPも受賞した(通算8度目)。たが、大谷が打てば打つほど深刻度を増すのがドジャースのDH問題だ。

守備の負担のないDHは本来、野手が休養するためのポジションでもある。昨季ドジャースのDHだったマルティネス(36)は162試合中、113試合に出場しただけ。正捕手のスミス(29)は14試合、36本塁打のマンシー三塁手(33)は10試合、23本塁打のアウトマン中堅手(26)は3試合、15本塁打のユーティリティーであるテイラー(33)は7試合、それぞれDHで出場した。

しかし、今季はここまで打者専念の大谷が、2日のダイヤモンドバックス戦を1試合休んだだけでDHを独占。このときDHに入ったのは主に4番を打つスミスで、他の選手はDHとしての出場がない。ドジャースは今季、大谷がDHを独り占めすることを想定して野手を手厚くし、DHではなく交互に休ませているのだが、このままシーズンを乗り切れる保証はどこにもないのだ。

捕手のスミスは攻守で欠かせない存在だし、オフにFAで獲得したテオスカー・ヘルナンデス外野手(31)は昨季マリナーズでDHとして28試合に出場したように休みながら結果を出すタイプ。さらに守備の拙いテイラーが出ずっぱりで三塁を守るようなら、いくら打ってもザルで水をすくうようなことになりかねない。

かといって、打撃で圧倒的な数字を残す大谷をオーダーから外すわけにはいかない。ここまで52安打もメジャー単独トップ。持ち前のパワーに加えて、今季は技術も突出しているのだからなおさらだ。

ロバーツ監督は大きなジレンマを抱えているようだ。(つづく)

◇ ◇ ◇

大谷をラインアップから外さず、DHの枠を他の選手にも解放する方法はただひとつだけある。大谷を守備に就かせることだ。

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