【日経平均株価】米利下げ観測で、急速な円安・ドル高は一服か

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連休前の日経平均は小幅安で終える

2024年5月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比37円98銭安の3万8236円07銭となりました。米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定しました。市場では利下げ先送りとの見方が広がり、ハイテク株などが売られました。これを受けて日本株も売りが先行しましたが、その後は押し目買いが優勢となりました。連休前の持ち高調整で売りに回っていた海外勢が買い戻す動きも出て、全体としては方向感が出にくい動きとなりました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比176ドル59セント高の3万8852ドル27セントで終えています。

3日に発表された4月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で17万5000人増え、市場予想(24万人増)を下回りました。投資家の間に、米労働市場の過熱感が薄れる方向にあるとの見方が広がりました。これにより、足元での利下げ先送りの観測が後退し、逆に年内など早期に利下げが行われると見る投資家が増え、株が買われました。

気になるのは為替市場の動向です。6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は前週末比95銭円安・ドル高の1ドル=153円85~95銭で取引を終えています。先週は日本政府・日銀による為替介入があったとみられ、一時1ドル=160円まで進んだ円安・ドル高から大幅に円高が進みました。ただし、長期的には円安・ドル高傾向は変わらずと見られていたものの、直近では、FRBが年後半にも利下げを始めるとの観測が意識されたことから円買いの動きになっています。

円高は自動車、機械など輸出関連銘柄にとっては逆風となりますが、乱高下するような相場もまたリスクになります。円相場がこのあたりで落ち着くようであれば、日本株にとっても底堅い展開になることが予想されます。

今週は8日にトヨタ自動車、9日に日産自動車、10日にホンダと、大手自動車が相次いで3月期決算を発表します。為替相場の動向によっては、今後の業績見通しに影響が出る可能性もあります。

今週は8日にトヨタ自動車、9日に日産自動車、10日にホンダと、大手自動車が相次いで3月期決算を発表予定。

75日移動平均線でもみ合う動きが続く

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は29日が昭和の日で祝日、3日が憲法記念日で祝日となり、営業日は3日間だけでした。前週はローソク足の実体が75日移動平均線を割り込んでおり、先週はここから挽回できるかどうかがポイントでした。

実際には連休明けの30日(火)に窓をあけて上昇して寄り付くと、短いながらも陽線となって75日線を回復しました。ただ、その後は窓をあけて下落し、75日線を割ってしまいました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は悪くありません。75日線に上値を押さえられてはいるものの、下値はじりじりと切り上がっています。直近の押し安値も割っていません。

今週まずは75日線の回復に期待したいところです。その後は、直近の戻り高値である4月24日の高値(3万8460円)あたりが目標になります。このあたりは25日線にも重なっています。その後、さらに心理的節目となる4万円を回復できれば目線を上に持つことができます。

逆にここから、4月19日の安値(3万6733円)、心理的節目となる3万6000円などを割ってくるようであれば注意が必要ですが、そこに至る前に押し目が入りそうです。

連休明けの30日(火)に窓をあけて上昇して寄り付くと、短いながらも陽線となって75日線を回復。ただ、その後は窓をあけて下落し、75日線を割っている。

参考資料

  • 日本経済新聞 日経平均株価

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