吉田松陰ら尊王攘夷志士らに情報発信 幕臣とも交流の松浦武四郎 知られざる姿

By 三重テレビ放送

北海道の名付け親として知られる松浦武四郎と、幕末の尊王攘夷思想に焦点をあてた企画展が、三重県松阪市にある松浦武四郎記念館で開かれています。

武四郎の蝦夷地調査は、当時のロシア南下を危惧して日本の領土を守ろうと始めたもので、幕末の時代は日本との通商などを求めて諸外国が相次いで来航し、鎖国から開国に向かう歴史の一大転換期でした。

今回の企画展では、吉田松陰ら尊王攘夷の志士らに自らの持つ情報を発信する一方、幕臣とも交流して独自のネットワークを築き、日本の将来を思って活動した武四郎の知られざる姿を28点の資料で紹介しています。

武四郎はロシアと北海道との緩衝地帯として樺太を重視し、細かな地名などが記された直筆の樺太南部の地図には、日本の領土を主張するため樺太に、伊勢大神宮や熱田大神宮を設ける計画も考えていました。

また、ペリーが幕府と日米和親条約を結ぶために再来航した際、宇和島藩から依頼を受けて、ペリー一行の動向を探り記録した下田日誌も見ることができます。

松浦武四郎記念館の山本命館長は「武四郎は日本を守るためにいろいろなことを考え、多くの人と交流しながら歴史に足跡を残した点を見てもらいたい」と話していました。

この企画展は、26日まで開かれています。

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