プリプリ王者・渡辺未詩 最も尊敬する中島翔子を破り初防衛「50年後も私が続けていれば…」

 中島翔子(左)をバックブリーカーで攻める渡辺未詩

 「プロレス・東京女子」(6日、後楽園ホール)

 「YES! WONDERLAND ’24」のメインイベントで、第14代プリンセス・オブ・プリンセス王者の渡辺未詩が、元王者で誰よりも尊敬する先輩・中島翔子の挑戦を退けて初防衛に成功した。

 2人は過去4度シングル対決し、変則ルールを含め中島の3勝1敗。通常の3カウントルールでは1勝1敗だった。

 試合はグラウンドの攻防でスタートし、渡辺のジャイアントスイングを中島が無人在来線固めで切り返せば、中島がコーナーに上ると渡辺が抱え上げて開花式ジャイアントスイングで振り回すなど、読み合いが続く。

 渡辺のティアドロップをかわした中島は、ウラカンラナから619。間髪入れずダブルアーム式DDTを狙ったが、渡辺はダブルハンマー、ショートレンジのレーザービーム、ティアドロップとたたみかけて21分11秒、片エビ固めでフォール勝ちした。

 渡辺は「中島さんとこのベルトをかけて戦うことができて、すごいうれしかったし、勝つことができてうれしかった。一つチャンピオンとして成長できたかなと思います」と喜びのマイクアピール。バックステージで渡辺は「2年後も3年後も10年後も50年後も、私が続けていれば、たぶん中島さんとタイトルマッチできるので。今回は先輩みたいな意識があったんですけど、この1試合で成長することができたと思いたいので、ここから中島さんと切磋琢磨(せっさたくま)できるようにもっと頑張りたいなと思いました」と話した。

 1年7カ月ぶりの返り咲きに失敗した中島は「これが最後だと思ってって言い方をしたんですけど、悔しすぎますね。私は二言がある女なので、次また挑戦できるよう虎視眈々(たんたん)と積み重ねていこうかなと思います」と、悔しさもあらわに再挑戦を宣言。「心の折れない感じとかをへし折ってやろうと思って最初から出し惜しみしなかったんですけど、折れなかったですね。そこの強さを感じました」と、王者に成長した後輩をたたえた。

 セミファイナルでは、大食いやグラビアなどタレントしても活動する上原わかなが、HIMAWARIとの同期コンビで「でいじーもんきー」(でじもん=鈴芽、遠藤有栖組)のプリンセスタッグ王座に挑戦。合体式フェースクラッシャーから遠藤の什(じゅう)の掟を食らったHIMAWARIが15分1秒、片エビ固めで3カウントを奪われ、戴冠はならなかった。でじもんは初防衛。

 上原は「HIMAWARIちゃんとはライバル関係で、いざ組んでみたら、この2人ならベルト取れるんじゃないかって思ったから。ホントに悔しくて。ベルトって誰しもが挑戦したいと思うんです。その大切な機会をいただいたのに取れなかったのは本当に悔しい。またここから必死に練習するので、また絶対にリベンジしに来ます。ベルトを取るまであきらめない」と涙を流した。

 また、元バスガイドで、2022年8月にプロレスとアイドルを両立するアップアップガールズ(プロレス)に加入し、昨年3月6日にデビューした鈴木志乃が、悲願の自力初勝利を挙げた。

 23年デビュー組の6選手で唯一、白星がなかった鈴木は、同日デビューの凍雅とシングル対決。ロックボトムをかわして後方回転エビ固めで8分21秒、3カウントを奪取。「やっと勝つことができました。勝つってこんなにうれしいものかなって。初勝利という目標からずっと進めなくて、すごく悔しかった。やっとこの先の目標とか未来をみんなの前で大きい声で話せるかなと思います。皆さんの応援のおかげです。ここからがスタートだと思います」と、号泣しながら話した。

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