東京Dに響いた3歳長女の声 ベルト死守したユーリ阿久井政悟にパパの顔「家族とディズニーで…」

一夜明け会見、長女・千聖ちゃん、次女・琴乃ちゃんと写真に納まるユーリ阿久井政悟【写真:浜田洋平】

桑原拓に判定勝ちから一夜明け会見

ボクシングのWBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が7日、東京ドームで行われた初防衛戦から一夜明け、都内で会見した。前夜は同級3位・桑原拓(大橋)に3-0の判定勝ち(117-111×2、118-110)。ともに日本人で初めて東京Dの世界戦リングに立った。この日は試合を振り返り、家族とつかの間の休息を過ごした後は将来的に統一戦を行いたい旨を明かした。

34年ぶりの東京Dボクシング興行を終え、阿久井は傷を隠すサングラス姿で会見。「前回より痛みが少ないので良く寝られました」と安堵の笑みを浮かべた。夜は映像で試合を振り返り「徹底的に攻めようとした。やってきたことを出せたのはよかったけど、もう少しディフェンスを強化できる」と課題を口にした。

リングサイドではマネージャーを務める妻・夢さん、3歳の長女・千聖(ちさと)ちゃん、1歳の次女・琴乃ちゃんが観戦し、幼い声が響いていた。この日の会見にも顔を出し、パパと娘2人で記念撮影。「前回の試合からスパンが短かった。もう少しゆっくりしたい。家族でディズニーランドに行く予定なのでゆっくりします」としばし休息を挟む。

試合は阿久井が圧力をかけ、桑原を下がらせる展開。ボディー、フックと散らし、強打を当てるたびに4万3000人からどよめき。桑原もパンチを放ったが、中盤以降は阿久井が一方的に攻める場面が目立った。最終12回の開始直前、両者は敬意を込めてハグ。最後は互いに力を振り絞り、阿久井が王座を死守した。

桑原拓を破ったユーリ【写真:荒川祐史】

リング上で桑原に伝えたこと「もう少し来てほしかったよ」

桑原とは2021年7月以来の再戦。当時は日本フライ級王者だった阿久井が初回と最終回にダウンを奪い、桑原に10回残り11秒でTKO勝ち。パワーを身につけてきた桑原について、「初回にガツンと来た。ガードの上でも脳が揺れるパンチ。パワー面では違った」と成長を受け止めたが、挑戦者として物足りなさも感じたという。

「もっと出てくるかと思って警戒したけど、途中からこちらが押して、押してという感じ。相手は引きになっていた。(試合直後のリングで)本人にも『もう少し来てほしかったよ』と伝えましたね」

遅くても年内には迎えたい次戦。「目の前の試合に勝って統一戦だったり、ビッグマッチをやりたい」。将来的な地元・岡山開催も希望するが、「世界戦をやるような会場がない。それが一番のネック」と苦笑いした。「自分のボクシングはこれが完成じゃない。常に最強を目指したい」と上を目指す。

THE ANSWER編集部

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