RBジェイコブスには全ダウンの活躍、新人RBロイドには“爆発力”を期待するパッカーズOC

ジョシュ・ジェイコブス【AP Photo/John Locher】

グリーンベイ・パッカーズの2024年のランゲームはこれまでとまったく違ったものになりそうだ。

パッカーズはオフシーズンにファンお気に入りのランニングバック(RB)アーロン・ジョーンズを放出したことで、多くの人々を悲しませた。そして、ジョーンズがパッカーズのライバルであるミネソタ・バイキングスと契約したことで、人々の心の傷はさらに深まっている。しかし、そんなパッカーズはバックフィールドにおいて大きな動きを見せており、フリーエージェント(FA)でRBジョシュ・ジェイコブスと4,800万ドル(約74億894万円)の4年契約を結び、さらにこの春のドラフト3巡目で南カリフォルニア大学(USC)のマーショーン・ロイドを指名している。

また、パッカーズは——少し意外かもしれないが——A.J.ディロンを引きとめた。しかし、パッカーズの攻撃コーディネーター(OC)アダム・ステナビッチによると、ジェイコブスとロイドは2024年シーズン、大きな役割を得る絶好のチャンスに恵まれるようだ。

次のシーズンに1,500万ドル(約23億1,615万円)近く稼ぐ予定のジェイコブスは、間違いなくバックフィールドの中心選手になるだろう。

ステナビッチOCは次のように述べた。

「ジョシュは素晴らしいランニングバックだ。彼はオールプロに何度も選ばれている。どんなシチュエーションでも優れた能力を発揮し、レシーバーとしてもバックフィールドからのプレーが得意で、優れたランナーだ。彼はパスプロテクションもうまい。だから、彼は試合のどのタイミングでも出場させられる選手であり、何も心配する必要がない選手の1人だ。これは素晴らしいことだ」

一方で、ステナビッチOCはロイドについても高い評価をしている。NFLスカウティングコンバインの40ヤード走で4.38秒を記録したロイドは、ドラフトアナリストであるダニエル・ジェレマイアによって今回のドラフトクラスで最も高く評価されたランニングバックだった。

ステナビッチOCはロイドについてこう語っている。

「彼のスピードが好きだ。彼のスピードが本当に気に入った。OTA(チーム合同練習)では彼の爆発力のある走りを見ることができた。彼は広い視野を持っている。だから、バックフィールドから彼がどう動くか、見るのが本当に楽しみだ」

サウスカロライナ大学と南カリフォルニア大学での4年間を通じてケガに悩まされたロイドが、シーズン序盤にどれだけ起用されるかはまだ分からない。ロイドが大学でレシーバーとして起用されることはほとんどなかったが、ステナビッチOCはロイドが持つ第3ダウンで発揮する能力を考えると、ディロンが得意とするプレーとはまた別の役割を開拓できるかもしれないと指摘した。

ステナビッチOCは「(ロイドは)できるだけ出場させたい。彼のスピードはAJとは少し違う。ディロンのような突進力はないが、違うタイプのスキルセットを持ち合わせている。だから、スペースでボールを持たせた彼が何をできるか、見るのが楽しみだ。彼はオフェンス全体に爆発力を加えると思うからね」とコメント。

昨シーズン、負傷したジョーンズが多くの試合を欠場したにもかかわらず、パッカーズは2023年に試合平均112.1ランヤード(リーグ15位)、キャリー平均4.32ヤード(9位)をマークしており、かなり堅実なランゲームを展開した。ジェイコブスとロイドの加入によって——特にクオーターバック(QB)ジョーダン・ラブの下で2年目を迎えるパスゲームが開花する可能性を踏まえると——2024年のパッカーズのバックフィールドはさらに効率的なものにするだろう。

ステナビッチOCはパッカーズのさまざまな才能を持つ選手たちとランゲームのポテンシャルを認める一方で、指を鳴らせば魔法のように改善されると考えている人々に警告を発した。

ステナビッチOCはこうつけ加えている。

「われわれは自分たちにどれだけ良いパフォーマンスができるかを知っている。しかし、このリーグでは誰もタダで何も与えてはくれないことを理解する必要がある。すべては自力で勝ち取らなければならない。毎日フィールドに出て一生懸命に努力し、自分の技術を磨き、できる限りのベストを(意識的に)尽くすことこそが、われわれがプレーオフに戻るために必要なことであり、それが可能な限り遠くまで進むことを可能にする」

【KO】

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