豪中銀、4会合連続で金利据え置き 総裁はハト派発言も物価高警戒

Stella Qiu Wayne Cole

[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを市場の予想通り12年ぶり高水準の4.35%に据え置いた。据え置きは4会合連続。

インフレ鈍化ぺースは想定より緩やかとし、物価上昇圧力に対する警戒感を示した。

ただ、一部で予想された引き締めバイアスの復活はなかった。

ブロック総裁は、経済が金利上昇を「消化」する必要がないことを望むと率直に発言。ただ、サービス部門のインフレ率が高止まりするようなら理事会は行動を起こす用意があるとくぎを刺した。

このハト派コメントは追加利上げの可能性を見込んでいた金融市場を動揺させた。

豪ドルは0.5%安の0.6587米ドル。3年物国債先物は8ティック上昇し96.06。年内の再利上げ見通しは後退し、9月の利上げ確率は43%から13%に低下した。

総裁によると、理事会で利上げを討議したが、金融政策はすでに十分に制約的だと判断。「現在のところ、目標を達成するのに金利が適切な水準にあると信じているが、リスクもあり、現段階で理事会は何も決定していないし、何も排除していない」という。

ANZのオーストラリア経済担当責任者、アダム・ボイトン氏は「再利上げのハードルは市場の予想より高くなる可能性がある」と指摘。11月の緩和サイクル開始予想を引き続き維持するとしつつ、リスクはそれが2025年にずれ込み、予想よりも緩和幅が浅くなる方向に傾いているとした。

豪インフレ率は第1・四半期に鈍化が想定より小幅にとどまり、3月の失業率は3.8%と労働市場の過熱が緩やかにしか改善していないことが確認された。

海外でもインフレ率の中銀目標への低下は実現していない例が多く、利下げの見通しが難しくなっている。

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