中国甘粛省、「一帯一路」沿線諸国・地域との技術協力強める

中国甘粛省、「一帯一路」沿線諸国・地域との技術協力強める

玉門油田本部で原油に関する実験を行うアブデルケリム・ハムダンさん。(3月29日撮影、蘭州=新華社記者/王銘禹)

 【新華社蘭州5月7日】アフリカのチャド出身のアブデルケリム・ハムダンさんは中国石油天然気集団(CNPC)傘下、中国石油チャドの従業員である。今年2月、中国石油天然気集団の玉門油田が甘粛省酒泉市で実施した35日間に及ぶ中国・アフリカ技能人材研修に参加し、技能向上訓練や異文化交流、安全・応急訓練などを受けた。

 「一帯一路」共同建設構想が推進される中、石油精製や太陽エネルギー開発、畑作農業などの面で豊富な経験を持つ甘粛は地理的優位性を存分に生かし、「一帯一路」共同建設国との技術協力を強化し続けており、質の高い「一帯一路」共同建設の様相を浮き彫りにしている。

 玉門油田チャドの蒋鋭(しょう・えい)副経理によると、玉門油田は長期にわたって石油採掘や精製の面でチャドを支援してきた。同社は資源と技術面の優位性を生かして真っ先に中国・アフリカ人材養成協力プログラムに加わり、中国石油チャドとの協力も展開している。

 蒋氏は「4~5年ですべてのチャド出身の従業員向け訓練を完了させ、チャドに中国石油の職業技能等級標準を段階的に導入する」との計画を明らかにした。

 甘粛自然エネルギー研究所太陽光発電製品展覧室には、設置面積が1平方メートル足らずの太陽エネルギー揚水ポンプステーションが展示されている。これは太陽エネルギーの民用化をめぐる甘粛と「一帯一路」共同建設国間の協力の縮図となっている。

 同研究所太陽光発電技術研究室の喬俊強(きょう・しゅんきょう)副主任は「太陽エネルギー揚水ポンプステーションは体積こそ小さいものの、パワーは大きい」と説明する。2017年8月に誕生した製品で、すでにパキスタン農業研究審議会(PARC)とネパール農業研究評議会(NARC)の実証農場に導入されているという。

 喬氏は「太陽エネルギー揚水ポンプステーションの揚水量は1日当たり16トンに上る。農地8ムー(0.5ヘクタール)分の灌漑(かんがい)あるいは320人分の飲用水に対応することができ、地元にもたらす経済的、社会的利益は大きい」と述べた。

 同研究所は委託を受ける形で、これまでに再生可能エネルギー技術研修事業を102回実施しており、130以上の国・地域の2500人以上の技術者と政府職員を対象に研修を行った。(記者/文静、王銘禹)

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