【騒然】高島屋新宿店で火災報知器が誤作動 当時館内にいて避難した人の“それぞれ異なる避難経路”とは

5月6日「高島屋新宿店」で火災報知器が作動。館内にいた多くの買い物客が一斉に避難し、一時館内が騒然となる事態になりました。

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警報音と共に流れたアナウンス「火事です 火事です 地下3階で火災が発生」

午後2時過ぎ、けたたましい警報音とともにという緊急アナウンスが館内に鳴りました。
高島屋新宿店によると、館内で火災は発生しておらず、地下3階の駐車場エリアにある消火設備が“誤作動”したといいます。

休日には、1日約12万人もの人が訪れる「高島屋新宿店」で起きた、消火設備の誤作動。

この騒ぎによる大きな混乱はなく客にけがなどはありませんでしたが、避難方法や経路に関して、元東京消防庁麻布消防署長・坂口隆夫氏は「ある点」が気になったといいます。

元東京消防庁麻布消防署長 坂口隆夫氏:
場合によってはパニックが起こるというそういう危険性もありますので。

めざまし8取材…その時館内にいた4人はどう避難した?

めざまし8は火災警報器が作動した時、館内にいたという4人を取材しました。

【13階にいたAさんの場合】
1人目は、警報器が鳴った当時、13階のレストランで食事していた女性のAさん。

13階のレストランにいたAさん:
みんな立ち上がって一斉にお店の外出たらみんな降りていて(店員が)「お金も払わず出てください」って感じでした。食事途中の方もいました。

Aさんはどのように避難したのかを訪ねると…。

13階にいたAさん:
エスカレーターで13階から2階まで下りたので、結構5分10分は(警報器が)鳴ってたと思うんですよ。「そのまま降りてください」という(店員の)誘導でそのままみんな降りました。

13階にいたAさんは、警報器が鳴る中、店員の誘導で、13階からエスカレーターで1階ずつ降りていき、2階から建物の外に出たといいます。

避難時の映像には、エスカレーターでは混乱する客や走ったり歩いたりする客はおらず、2列に並んで、スムーズに避難している姿が捉えられていました。

館内を出たときの写真には、避難したとみられる多くの客たちが不安そうに百貨店を見上げているのがわかります。

【10階にいたBさんの場合】
当時10階にいたという男性・Bさんの避難経路によると。

10階にいたBさん:
すぐに皆さんと一緒にまだエスカレーター動いてましたので、皆さんと一緒に順番に降りたっていう、感じです。そのまま普通に1階まで出て外出ました。
従業員さんが「建物安全ですので、ゆっくり避難してください」みたいな声かけをしてました。

10階にいたBさんは、10階から、エスカレーターで2階ではなく、1階まで降り、外に出たといいます。

【6階にいたCさんの場合】
さらに、当時6階にいたという男性・Cさんによると。

6階にいたCさん:イヤホンしながら買い物してたんですけど、もうイヤホンを突き抜けてくるぐらいの大きい音で、警報音が鳴りました。
エスカレーターで一応降りてったら3階で止まってまして、3階以降は階段でっていう感じで階段に促されて、階段で一階分降りて2階に到着して

6階にいたCさんは、6階から3階まではエスカレーターで降り、3階から2階までは階段を使用し、2階から外に出たといいます。

【9階にいたDさんの場合】Cさんがいた6階よりも、3階上の9階にいたという男性・Dさんによると。

9階にいたDさん:店員の誘導で、他の客と一緒に階段で2階エントランスまで降りて避難しました。

9階にいたDさんは、エスカレーターを使わず、階段だけをつかって9階から2階へ移動し、外に出たというのです。

それぞれの避難手段は、エスカレーターと階段。
館内からの脱出も2階と1階という2つのルートがあったことがわかりました。

この違いについてめざまし8が、高島屋新宿店に質問しました。

高島屋広報による回答:
マニュアルでは火災避難の際はエスカレーターを使わず階段で避難誘導をするように、とされています。

これについて専門家は…。

元東京消防庁麻布消防署長 坂口隆夫氏:絶対にやってはいけないことは、エレベーター等で避難をしてはいけないということですね。これが大原則になるということですね。

堀池亮介アナウンサー:もし実際に火災が発生した場合、私たちはどのようにして避難すればいいのか、元東京消防庁麻布消防署長坂口隆夫さんに伺ったところ「避難階段の位置を確認して、下の階への移動時は階段で行ってください」ということでした。
エレベーターなどを使ってしまうと閉じ込めのリスクもあるということ、また階段ですと防火扉などの設備が整っているということで、階段を使ってくださいということでした。

そして落ち着いて1階に降りて建物の外に出てくださいということでした。
1階に降りてどこから出れば安全なのか、といった情報は、防災センターからフロアにいる店員に対して避難経路を共有されているんですね、そのフロアにいる店員の避難誘導に従って出てくださいということです。

MC谷原章介:
今回は誤作動ということで、事なきを得ましたけど、かなりヒヤッとしますよね。

立岩陽一郎氏:
でも逆に言うと、こういう誤作動というところに焦点をあてるよりも「これは本物に極めて近かった緊急避難訓練だった」と、避難された方も僕は消防、施設の方もそう思ってもいいと思うんですよ。
その結果、やっぱりエスカレーターを使うケースが多かったというのを、今後に活かしてやっぱそうじゃない方法に切り替えて、割り切った方がいいと思いますね。

MC谷原章介:
僕ら利用客もここに非常口があるんだなって大型ショッピングモールにいる時には、ちょっと頭に入れておきたいですよね。

サヘルローズ氏:
日本は日頃学校の中でもこういう訓練を受けているので、大人になってもそういうのを忘れたくないですし、今回誤作動でよかったですけども、やっぱりエスカレーターが動いていた、これが問題だ、ではなくて、動いていたとしても、乗らないという違う選択をするってことを忘れたくはないですよね。

MC谷原章介:
いつどこでこういうことが起きるかもしれない、そういう意識を持っておきたいですよね。

(『めざまし8』 2024年5月7日放送より)

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