「ボブの人生には常に彼女がいた」ボブ・マーリーを支えた妻リタ・マーリー “知られざる夫婦の物語”を辿る『ボブ・マーリー:ONE LOVE』特別映像

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』© 2024 PARAMOUNT PICTURES

“レゲエの神様”と称される天才的な音楽センスの裏に隠された苦悩と葛藤、レゲエミュージックの歴史そのものと言っても過言ではない、波乱万丈な生涯を描く映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』が、5月17日(金)より公開される。このたび、知られざる夫婦の物語を辿る特別映像が解禁となった。

世界中の人々の希望となった、伝説のアーティスト

カリブ海の小国ジャマイカで生まれ、世界中の希望となった伝説のアーティスト、ボブ・マーリー。「ロックの殿堂」入りも果たした伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリー。彼は、全世界アルバム売上7500万枚以上を売り上げ、伝説的なベスト・アルバム『レジェンド』は、アメリカのビルボード誌のカタログ・アルバム・チャートで最長ランク入りという記録を打ち立てており、世界で最も売れたレゲエ・アルバムになった。その他にも、グラミー賞の特別功労賞生涯業績賞受賞、グラミー殿堂賞(複数受賞)の受賞、「Hollywood Walk of Fame」への殿堂入りなど、数々の偉業を残したマーリー。そんなジャマイカ初の世界的トップスターが生み出した、夢と希望、歓びに満ちたサウンドは今もなお世界中に愛され続けている。

だが、白人と黒人のハーフとして生まれた出自や、国内の政情不安と政治家の思惑にも翻弄されてしまう国民的英雄としての苦悩、さらに欧米がすべての中心だった当時の音楽業界において稀有な第三世界出身アーティストとして世界的な成功を収める奇跡のサクセスストーリー、そして妻リタとの絆など、彼の音楽とメッセージの背後にある物語はあまり知られていない。

そして2024年、マーリーが愛した妻のリタ、息子のジギー、娘のセデラがプロデューサーとして参画した、まさに<正真正銘のボブ・マーリー映画>が誕生した。

監督は、「第94回アカデミー賞」で作品賞をはじめとする6部門でノミネートされ、主演のウィル・スミスが主演男優賞を受賞した名作『ドリームプラン』(21)を手掛けた、レイナルド・マーカス・グリーン。脚本にはレイナルドに加え、テレンス・ウィンター(『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』)、ザック・ベイリン(『グランツーリスモ』)らが参加。主人公ボブ・マーリー役には、『あの夜、マイアミで』(20)にてマルコムXを演じ、高い評価を得たキングズリー・ベン=アディル。ボブ・マーリーの妻、リタ・マーリー役には、『キャプテン・マーベル』(19)や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)など、ハリウッド大作映画への出演が続く注目の俳優ラシャーナ・リンチ。実力派キャストのほかに、リタ・マーリー本人、そしてボブとリタの子どもセデラ・マーリーとジギー・マーリーなど、ボブ本人を誰よりも愛し、近くで見守ってきた家族たちが監修に参画しているのも物語に深みを加えている。

「リタは道しるべだ。ボブの人生には常に彼女がいた」

映像は、ボブ・マーリーと、ボブが世界中で活躍した36年間を傍らで支え、自身もアーティストであった妻のリタ・マーリーに焦点を当てたもの。ボブ・マーリーを演じたキングズリー・ベン=アディルは「友情を越えた絆を表現したかった」、ボブの妻・リタ・マーリー役のラシャーナ・リンチが「ボブとリタの愛は永遠に消えることはない」と力強く語るのも頷けるように、ライブ直前にボブとリタが目を合わせる場面から始まる。

同じステージに立つ様子や若かりし頃の2人が一緒にギターを弾く甘酸っぱい瞬間などに加えて、撮影の模様を収めたメイキング映像もたっぷり見ることができ、2人が表現する夫婦像の自然さと愛おしさに、本編とメイキングの境目が感じられなくなるほどだ。

キングズリーとラシャーナは、ボブとリタという特別な夫婦を演じるに当たり、友人関係や夫婦関係を超えた、無償の愛が滲み出る深く誠実な関係性を築けるよう準備期間を6か月も与えられたという。時には、ボブ・マーリーの本物の家族と同じ時間を過ごすこともあり、どれだけ本物らしく唯一無二の感情をつかむことができるかに努めた。キングズリーにとってラシャーナの存在は大きな力になったといい、「彼女はずっと僕の支えだった。いつも『キングズリーはクレイジーだから絶対出来る』と誰よりも僕を認めてくれたから、本当に励みになった」と撮影を振り返った。

また、レイナルド・マーカス・グリーン監督が「リタは道しるべだ。ボブの人生には常に彼女がいた」、ボブの息子で本作のプロデューサーを務めたジギー・マーリーが「2人の愛が詰まった“ONE LOVE”なんだ」と話す通り、ボブ・マーリーを語る上で、妻として、そしてボブとステージに立ち抜群のパフォーマンスを見せるシンガー「アイ・スリーズ」のメンバーとして、ボブ・マーリーと公私を共にしたリタ・マーリーは欠かせない存在だ。

アイ・スリーズはリタ・マーリー、ジュディ・モワット、マーシャ・グリフィスの3人で構成されたボーカリストトリオで、単なるバックシンガーではなく、ボブ・マーリーの音楽の中で不可欠な要素であり大きな役割を担っていた。

グリーン監督は、そのエモーショナルな音楽と人生が世界中のファンの胸に響き続けているボブ・マーリーの、世界を動かすほどのパッションの源のひとつとして、リタの存在を丁寧に描くことを追求し、「実はこの作品はいろんな意味で、ボブ・マーリーとリタ・マーリーの物語だ。ボブを描く旅路の中で、リタは常に導き手としての役割を果たしてくれた。心の拠り所のような存在で、ボブが何をしようとして、何を追求しているのか。リタの存在により、ボブはいつでも自分の原点を思い出すことができた」と振り返る。グリーン監督は実際にリタ・マーリーにも会い、彼女の存在感や優雅さ、強さを感じ、世界中の観客にリタ・マーリーがどのような人物なのか知ってほしいとも願っているそう。

世界中の平和を願うなかでも、共に道を歩み、信頼と強い絆で結ばれたボブ・マーリーとリタ・マーリーのロマンチックで心温まるシーンも本作の大きな魅力のひとつ。

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』は5月17日(金)より全国公開

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