伝統野菜の産地復興に貢献 オタネニンジン栽培「研究会」活動へ 新鶴温泉んだ(福島県会津美里町)と会津農林高生

オタネニンジンを観察する会津農林高の生徒ら

 会津地方の伝統野菜オタネニンジン(会津人参)の栽培プロジェクトに励む福島県会津美里町の「新鶴温泉んだ」や会津農林高地域創生科の生徒らは、「会津オタネニンジン研究会」の団体名で活動していくことを決めた。栽培や食の提供などを通して産地再興に貢献する。

 新鶴温泉んだの菅家薫社長や会津農林高生は4月23日、温泉敷地内に設けたビニールハウスで、オタネニンジンの苗が順調に生育していることを確認した。プロジェクトには清水薬草店や会津伝統野菜、県農業総合センター会津地域研究所も参加している。

 新鶴温泉んだはオタネニンジンを使った人参風呂や料理を提供している。人参風呂は乾燥させたオタネニンジンをネットに詰めてお湯に浸している。漢方薬の代表的な生薬として有名なオタネニンジンは強壮や疲労回復、血流改善などの作用が認められている。利用者からは「膝関節や腰、神経痛の状態が良くなった」などの声が多く寄せられているという。

 かつて会津美里町新鶴地域はオタネニンジンの一大産地だったが、1993(平成5)年の165ヘクタールをピークに現在は3ヘクタールにまで激減した。産地再興の一助になりたいと、今年2月からプロジェクトに乗り出した。菅家さんは「先人が残した貴重な地域資源を生かし、健康づくりにも貢献したい」と話している。

(会津版)

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