「泣きそうになった…」タイムカプセル開封 20年前にしたためた大切な人への手紙「私は生きているでしょうか?」

20年前、未来の家族などに宛てた手紙を封印したタイムカプセルが開封された。生まれたばかりの子どもや孫にしたためた手紙。将来の自分へのメッセージ。20年の時を経て届いた手紙に涙ぐむ人の姿も見られた。

未来の家族や自分への手紙

タイムカプセルは、今から20年前の2004年に佐賀・鳥栖市の市制施行50周年を記念して封印された。
中には未来の自分や家族などに宛てた手紙685通が収められている。

タイムカプセルは高さ約90cm、幅70cm、奥行80cm。
古墳の甕棺墓をイメージしたもので、陶芸家の松尾伊知郎さんが制作した。

タイムカプセルは、旧庁舎では市民ホールに、今の庁舎では玄関横に展示されてきた。
そして20年の時を経た2024年5月1日、鳥栖市制施行70周年を記念して開封式が行われた。

式には当時投函(とうかん)した人など約30人が参加。
開封したのはタイムカプセルを制作した松尾さんと市長。
式に参加した人たちが開封の瞬間を見守った。

20年の時を経て“大切な人”へ

未来の家族や自分、友人など大切な人に宛てた手紙。
20年の時を経て手紙を目にした人の胸には、当時の気持ちや、これまでの人生への思いがこみ上げてくる。

最初の投函者の近藤美香さんは、20年後の2人の娘宛てに「きっと素敵な女性になっているんだろうね」「わがまま娘になっていないことを祈っています」などと手紙を書いたという。

第1号投函者 近藤美香さん:
ちょっと泣きそうになってきました。(振り返ると)長いようで本当にあっという間でした。いろいろ子育てで悩んだりしたみたいですけれども、本当に“今が良ければ”という感じです。みなさんに感謝しています

20年前に生まれた孫宛に投函したという80代の男性は、「孫の顔とかいろいろ思い出す。うれしい」と笑顔を浮かべた。

娘宛てに手紙を投函した80代の女性は「どんなこと書いたか忘れちゃっているから」と笑顔で話し、娘に手紙が届くのを楽しみにしていた。

「私は生きているでしょうか?」

未来の自分はどうなっているのだろうか…そんな思いで手紙を書いた人もいる。

自分宛に手紙を投函した70代の女性は「“私は生きているでしょうか?”と書いたことは覚えている」と語った。

封印が解かれたタイムカプセルの手紙。

宛先が書かれているものは郵送され、その他は市役所で保管し受け取りを待つことにしている。

(サガテレビ)

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