丸山製作所、自動走行型農薬噴霧ロボット「スマートシャトル」を展示

by ドローンジャーナル編集部

2024年4月30日、丸山製作所は、クボタが運営する農業学習施設 「KUBOTA AGRI FRONT(クボタ アグリ フロント)」内の最先端の農業技術展示エリア「TECH LAB」に、自動走行型スマート農薬噴霧ロボットのコンセプトモデル「スマートシャトル」を提供し、展示を開始したことを発表した。4月26日には出陣式を開催し、来場者へのお披露目を行った。

スマートシャトルは、自動走行による防除作業の省力化や稼働時間の短縮、安定性の向上など作業環境の改善を目的とした、自動走行型農薬噴霧ロボットのコンセプトモデル。

圃場内に設置したタグと本体の内蔵カメラから取得した映像情報により機体位置を認識し、ホースの送り出しや巻き取りを行いながら、ビニールハウス内の畝間(うねま)や通路を自動走行で移動する。直線移動だけでなくビニールハウス内全体を走行することができ、防除作業と畝間移動をすべて自動化する。

防除作業の省力化や大幅な作業時間短縮を実現し、例えば防除準備から片付けまで4時間かかっていた圃場の場合、スマートシャトルにより作業時間を約75%削減することができる。

【自動走行技術】

二次元コードの一種であるArUcoタグ(認識タグ)とVIO技術(画像とジャイロセンサーによる位置認識技術)を活用することで、GPSの使えないビニールハウス内でも自己位置を推定し、自動走行でビニールハウス内の畝間や通路を移動。側面には距離センサーを設け、畝との距離を測定して常に畝間中央を走行する。

【操作性】

ゲームパッドとタブレット、スマートフォン端末に入れたアプリから遠隔操作が可能。走行ルートの設定や自動防除の開始、防除作業の進捗を遠隔で操作・確認できる。機体の状況をモニタリングでき、緊急停止等の異常を検知した場合は通知する。スマートシャトルとポンプをIoTで連携させ、ポンプのON・OFF操作を行うことも可能。

【安全装置】

前後にあるバンパースイッチ(2種類)で障害物を検出し、緊急停車する。本体のカメラで人を検出して自動停止する機能を開発中。

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