希少動物の多い本島北部、警察官がロードキル対策を学ぶ 事故抑制を目的に初の講習会

警察官を前に、希少動物のロードキル対策について動画も交えて話す環境省やんばる自然保護官事務所の石川伊智子さん(奥右)=4月25日、名護署

 【名護】増加傾向にあるやんばるの希少動物のロードキルを抑制しようと、名護署(沖田暢彦署長)は4月25日、同署に環境省やんばる自然保護官事務所の担当者を招き、署員を対象にした初の講習会を開いた。

 警察官約30人が参加。同事務所の椎野風香自然保護官がやんばるの生物を取り巻く課題を説明した後、石川伊智子希少種保護増殖等専門員が、動物をはねるといった事故だけでなく側溝に落ちたり道路の構造物にぶつかって死んだりするロードキルの現状について説明した。

 ヤンバルクイナは子育ての時期に当たる4~6月ごろの日中に、ケナガネズミは夜行性のため夜間の事故が多いことを説明。体が小さくて視認しにくいことなどを動画も交えて解説した。署員らはメモを取りながら熱心に耳を傾けた。

 同署の高島久典副署長は「警察官もロードキル対策に関わる一員だが、なかなか実態を知る機会がなかった」と初の講演会の意義を話した。その上で「ロードキルを防ぐには結局法定速度といった交通ルールの順守が重要。取り締まりなどを通じて意識を高めていきたい」と話していた。(北部報道部・前田高敬)

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