意外に不発が多い!? バトル漫画に登場する「命と引き換えに放つ必殺技」その結末は?

アニメ『呪術廻戦』(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

バトル漫画には数多くの必殺技があり、効果も能力もさまざまなので、見ている側もワクワクさせられる。

バトルの内容が過激になればなるほど、命を賭けた戦いが多くなっていくもの。そんなとき、決死の覚悟を決めて放つ必殺技には、使えば命を落としてしまうものもある。そもそも、どうやって練習するのかもそうだが、そういった必殺技を使った結果どうなるのかは、やはり気になってしまう。

そこで今回は、命と引き換えに放った必殺技を紹介していきたい。

■『ドラゴンボール』魔封波

まずは、鳥山明さんによる『ドラゴンボール』から。『ドラゴンボール』はピッコロ大魔王の登場によって、強敵に一丸となって戦うという流れができる。そんなピッコロ大魔王は、世界中のどんな武闘家が挑んでも勝てないほどの強キャラだったので、自らの命をかけて封印する必殺技が考案された。

それが亀仙人の師匠である武泰斗が開発した「魔封波」である。この技は、お札を使って電子ジャーや梅干しの壺などの容器にピッコロ大魔王を閉じ込めるというもの。術者にかかる負担が大きいのが特徴で、場合によっては死に至ることもある。

武泰斗がかつてピッコロ大魔王と対峙したときには、亀仙人たちの前で技を披露してそのまま亡くなっている。さらに封印が解かれたピッコロ大魔王に対して亀仙人が使用すると、失敗した挙げ句、命を落としてしまった。

ほかにも『ドラゴンボール』には命を犠牲にした技が多く、餃子はナッパ戦で自爆し、天津飯は「気功砲」の使用によって命を落としている。さらに魔人ブウ戦では、ベジータが「ファイナルエクスプロージョン」によって死亡……。

こうして見てみると、生命エネルギーである「気」を使い過ぎて死んでしまう場面はいくつかあると気付かされる。

■『NARUTO-ナルト-』八門遁甲の陣

次は、岸本斉史さんによる『NARUTO-ナルト-』に登場するマイト・ガイの必殺技だ。ガイは忍術が得意ではなく、体術に特化した忍である。そのため、オリジナルの体術をいくつも持っていて、中でも禁術として扱われるものも……。それが「八門遁甲の陣」で、「自分の大切なものを死んでも守りぬく時」にしか使用しないと決めた技だ。

この技は、体内のチャクラに制限をかけている門のすべてを開くことで一時的な超人となり、五影をも上回る力を発揮できる。ガイの父親のダイは、ガイが忍刀七人衆に囲まれ殺されそうになったとき、この技を使って死んでしまった。ガイもそんな父の姿を見ていたからこそ、マダラとの最終決戦で未来の子どもたちのために使用する。すべての門を開いてチャクラを解放させ、「夜ガイ」をマダラに向けてぶつけたのだ。

そのときのガイのチャクラは空間を歪めてしまうほどで、マダラも防御不能となる。まともに食らってしまったマダラは半身を吹き飛ばされ、一方のガイも死を待つだけの状態となった。しかしナルトの登場によってチャクラを分け与えられたために、ガイはどうにか死を免れている。あのまま何もなければ、ガイが死んでいたのは確実だった。

それでもこのシーンが、最終決戦における山場のひとつであったのは間違いない。あのマダラに「体術において……オレの戦った者でお前の右に出る者は一人としておらん!!」と認めさせたように、かなり胸熱な展開といえる。

『NARUTO』にはこの技の他にも「屍鬼封尽」のように自らの命を媒体とするものもあり、ヒルゼンやミナトが使用後に死んでいた。忍には命を賭して戦う覚悟が常にあるということも伝わってくる。

■『呪術廻戦』調伏の儀

最後に必殺技とは少し異なるが、芥見下々さんによる『呪術廻戦』の伏黒が行った式神との調伏の儀を紹介しよう。伏黒は十種影法術という術式で式神を操るが、式神を使役するには調伏の儀をしなくてはならない。式神と戦って勝てば調伏成功となる一方、もしその最中に式神に殺されると術師はそのまま死亡してしまう……。

儀式には複数人の参加が可能なうえ、無関係の人間を同意なしに巻きこめるので、敵を道連れにするための手段にもなる。伏黒がそんな使用方法を取ったのが呪詛師・重面春太に殺されそうになったときだ。彼は誰も調伏させたことのない最強の式神・八握剣異戒神将魔虚羅を顕現させると、重面に「先に逝く せいぜい頑張れ」と言い残して瞬殺される。

このまま儀式が終われば伏黒は死んでしまっていたが、それを救ったのが両面宿儺。彼は最強の式神を相手に領域展開「伏魔御廚子」を繰り出し、絶え間なく斬撃を浴びせて倒すのに成功したのだ。

本来なら倒すことができれば式神を獲得できるが、宿儺のように儀式とは関係ない人物が倒してしまうと儀式自体が無効になってしまう。結果、伏黒の儀式内での死も無事に取り消された。

宿儺は伏黒を生かすために魔虚羅と戦ったが、最強の式神をあっさりと倒してしまうところがすごい。実力差が他のキャラと比べてあまりにもありすぎる。一方の伏黒は玉砕覚悟で魔虚羅を顕現したのだが、わりと雑魚キャラの重面にあの局面で使用するのはどうかとも思ってしまった……。

意外にも、命と引き換えに放つ必殺技で相手を倒せることはあまりない。ひょっとしたら、その後の展開に使われるためのフリでしかないのかもしれない。それでも、一瞬のきらめきのように派手で印象に残る必殺技はカッコ良すぎるものである。

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