病院の利用時に「特別の料金」がかかるケースがある
厚生労働省によると、特定機能病院・一般病床200床以上の地域医療支援病院・一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関にかかった場合、ほかの医療機関からの紹介状なしで受診する患者は「特別の料金」の支払い対象となる可能性があるとのことです。
また、病院からほかの医療機関への紹介状を交付されたにもかかわらず、当院を受診する再診患者も同様です。「特別の料金」の金額については、表1のようになっています。
表1
※厚生労働省 「制度案内リーフレット」を基に筆者作成
救急車を呼ぶ・呼ばないにかかわらず、「特別の料金」を支払わなければならないことがある点に注意が必要です。
なぜ「特別の料金」を支払わなければならないのか?
一部の病院に患者が集中することで、待ち時間が増加したり医師の負担が大きくなったりする可能性があります。紹介状を持たずに受診する外来患者から「特別の料金」を徴収するのは、そうした状況の発生を減らすことが目的です。
救急車についても、総務省消防庁によると、近年は出動件数が増加傾向にあり、今後も増えていくことが予想されています。出動件数が増えると救急車が現場に到着するまでに時間がかかるなど、さまざまな問題点が出てくるでしょう。
もちろん、本当に緊急性がある場合には「特別の料金」の支払い対象にならない可能性があります。
救急車を呼んでよいのか迷ったときは?
救急車を呼んでよいのか判断に迷ったときは「救急安心センター事業(#7119)」に問い合わせてみることをおすすめします。
病気やけがの状態や緊急性について医師や看護師などの専門家に相談でき、緊急性の有無についてアドバイスをもらうことが可能です。
緊急性が高いと判断された場合には迅速に救急出動へつなげてくれるため、費用のことを心配することなく対処できるでしょう。
ただし、「救急安心センター事業(#7119)」を実施しているのは令和6年5月現在全国で29地域となっているため、自分の住んでいる地域で実施しているか事前に確認しておくようにしましょう。
「救急安心センター事業(#7119)」以外に、全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」も提供されています。
このアプリでは、画面上で当てはまる症状を選択していくと緊急度の目安が分かるようになっており、緊急度が高いと判定された場合はアプリから119番に電話できます。
また、かかりつけの病院への相談や、住んでいる地域に相談窓口が設置されている場合もあるためいざというときのために確認しておくとよいでしょう。
救急車を呼ぶべきか判断が難しいときは「#7119」や全国版救急受診アプリを利用しよう
紹介状なしで医療機関にかかる際には「特別の料金」として初診だと7000円以上、再診だと3000円以上の支払いが発生するケースがあります。
緊急性がないにもかかわらず救急車を呼んだ場合も同様のことになる可能性があるため、判断に迷うこともあるでしょう。
判断が難しいときは「救急安心センター事業(#7119)」や全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」の利用、もしくは地域の相談窓口やかかりつけ医へ相談することをおすすめします。
出典
厚生労働省 紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて 制度案内リーフレット 医療機関の機能・役割に応じた適切な受診を行うようお願いします。(1、2ページ)
総務省消防庁 救急車の適時・適切な利用(適正利用) 救急安心センター事業(#7119)ってナニ?
総務省消防庁 救急車の適時・適切な利用(適正利用) 救急安心センター事業(#7119)関連情報 救急安心センター事業(#7119)の全国展開 実施エリアは?(2ページ)
総務省消防庁 救急車の適時・適切な利用(適正利用) 全国版救急受診アプリ(愛称「Q助」)
政府広報オンライン もしものときの救急車の利用法 どんな場合に、どう呼べばいいの? 4 救急車を呼んでいいの? 判断に迷ったときは?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー