【なぜ片手グローブが主流?】ゴルフのグローブを両手に着けると何かデメリットはあるのか

ゴルフでは、多くの人が利き手と反対の手にグローブを着けてプレーします。女性ゴルファーが両手に着けている場合もありますが、野球のように全員がそうしないのには、何か大きなデメリットでもあるのでしょうか。今回の記事では、ゴルフでグローブを両手に着けた場合に考えられるデメリットとグローブそのものの必要性についてまとめました。

1.「両手にゴルフグローブ」の5つのデメリットそもそも「ゴルフの競技中、グローブを両手に着けてはいけない」というルールはありません。ゴルフの規則にはグローブについての記述がなく、両手ともに素手でプレーをすることも可能です。それでも一般的には、多くのゴルファーは右が利き手なら左手にグローブを着けます。

野球などでは両手に着ける一方で、ゴルフの場合は多くの人がグローブを片手にしか着けない理由はどんなところにあるのでしょうか。

ゴルフグローブを両手に着けるデメリット

ゴルフグローブを両手に着けるデメリットとして、以下のようなものが考えられます。

【1】小物を取りづらい
【2】スイングやタッチの感覚をつかみづらい
【3】外すとき手間取る
【4】グリップ力の調節が難しい
【5】費用が掛かる

【1】小物を取りづらい

両手にグローブを着けていると、ポケット内のティやマーカー、グリーンフォークなどの小物を取り出しにくくなってしまいます。グローブでかさばった手はポケットの口に引っ掛かりやすい上、例えばショートティとロングティの区別がしにくいなどのデメリットが考えられます。ゴルフはメンタルが大事なスポーツですので、このようなちょっとしたイライラが募れば、スコアにも響いてしまうかもしれません。

【2】スイングやタッチの感覚をつかみづらい

グローブ越しでは、手先や筋肉の感覚がボールに伝わりづらい面もあります。繊細なタッチがかき消されてしまうので、微妙な調節をしたい場面ではもどかしく感じられるでしょう。

【3】外すとき手間取る

【2】が原因で、ショートゲームでは手袋を外すプロや上級者がいます。しかし、両手にグローブを着けていた場合には着脱に手間がかかってしまいます。移動の際に前もって外しておけば問題はありませんが、うっかりするともたついてスロープレーにもつながりかねません。

【4】グリップ力の調節が難しい

両手にグローブを着けると、素手よりもグリップ力は格段にアップします。その結果、力を込めやすい反面、握り込み過ぎて手首が固くなってしまうかもしれません。

また、布地がかさばるため、人によっては両手のロッキングがやりにくくなったり、ゆるみやすかったりする点にも注意が必要です。

【5】費用が掛かる

両手用のグローブの場合、片手よりも費用が掛かります。初期費用はもちろんのこと、グローブは消耗品のため、定期的な出費も見込まれます。

片手グローブにない両手グローブのメリット

ここまでデメリットを見てきましたが、両手グローブにしかないメリットもあります。

【1】利き手のグリップ力(フィット感)が上がる
【2】冬は寒さ対策、夏はUV対策ができる

上記のような理由から、特に女性ゴルファーの場合、ゴルフグローブを両手に着けることは珍しくありません。また男子プロでツアー1勝(2024年5月7日現在)のトミー・ゲイニーも、「Two Gloves」という二つ名の通り、両手にグローブを着けています。

【1】利き手のグリップ力(フィット感)が上がる

グローブの主要な役割は、滑り止めです。特に雨に濡れた手でゴルフクラブを握ると滑ってしまうことがあるため、両手にグローブを着けることで、クラブが滑らないように対策しているゴルファーもいます。

また、両手にグローブを着けると、力の弱い人や女性でも、しっかりとクラブを握れるようになります。これは片手にグローブを着けた場合も得られるメリットですが、利き手にもグローブを着けることでより一層フィット感が上がり、軽い力でクラブが操作できます。

クラブがすっぽ抜けたり、うまく握れなかったりといった悩みが軽減されると同時に、フィット感を上げることで手の力みがなくなる効果を感じる、といった声もあるようです。

【2】冬は寒さ対策、夏はUV対策ができる

寒いときに手の冷えを防ぐゴルフ用のハンドウォーマーが販売されていますが、両手にグローブを着ける場合、それが防寒具の役割も兼用してくれます。指先まで覆うので、寒さで動きが固くなるといったことも起きづらいでしょう。

日差しが照り付ける夏場は、UV対策としても有効です。片手だけに着けていると左手だけが白くなるいわゆる“ゴルフ灼け”をしてしまいますが、そういったこともありません。また腕カバーなどを着用することで、手袋灼けも防ぐことができるでしょう。

2.そもそもゴルフグローブは必要?

先に述べた通り、ゴルフのプレーにおいては、素手でもルール違反ではありません。フレッド・カプルス、横尾要、堀川未来夢などグローブなしで活躍するプロは多くいます。また、アプローチやグリーン上では外すプロや上級者を見かけることも多いでしょう。

それでも、ゴルファーの大半はほとんどのシーンでグローブを着けています。ゴルフグローブにはどのようなメリットとデメリットがあるのか、見てみましょう。

ゴルフグローブを着けるメリット

ゴルフグローブのメリットとしては、第一にグリップ力の向上が挙げられるでしょう。汗や雨にも滑りにくく、必要以上に力が入らないため、マメや握り過ぎによるヒジ痛などのケガを防ぎます。さらに両手のバランスを取りつつ手首が柔軟に保たれるので、ショットも安定することが考えられます。実際に、「グローブを着けて飛距離が伸びた」という体験談を耳にすることもあるのではないでしょうか。

また、グローブのすり減り方は、握り方の癖を矯正するヒントにもなります。例えばスライスやフックが出る場合は、手のひら部分が多くすり減っているかもしれません。その際はクラブを指で握るように調整すると、手首の可動域が広がってミスが減るでしょう。

ゴルフグローブを着けるデメリット

ゴルフグローブを着けていると微細なタッチの調整が難しいため、ショートゲームではグローブを外すプロや上級者も多くいます。それ自体もデメリットですが、慣れるまでは外す手間も負担に感じられるかもしれません。

また、グローブを着けていると体温調節がしにくい点も無視できません。冬は暖かくてよいのですが、夏場はムレたり暑くなり過ぎたりすることが考えられます。プロの多くは打ち終わればすぐに外していますが、その理由の一つは体温調節をするためです。グローブを外して、汗の気化熱を利用したり、冷たいペットボトルを持ったりすれば、発汗を抑えることができます。

また、片手であっても消耗品である以上、買い替え費用が掛かる点も素手にはないデメリットといえるでしょう。

3.まとめ

グローブを着けて明確に飛距離が伸びたと感じる人もいれば、「気のせい」と感じる人もいます。また、グローブを外す音で気持ちを切り替える人もいれば、その音が他プレーヤーの邪魔にならないかと気がかりで最初から着けない人もいます。

ゴルフグローブに関してのルールはないので、「両手に着ける・片手に着ける・着けない」は、結局は個人の感覚次第といえるかもしれません。自分に合ったスタイルを探して、自由に試してみてはいかがでしょうか。

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