神奈川県は、がん患者やその家族が、治療や医療機関選びなどについて正確な情報を入手できるよう「防がんMAP(マップ)神奈川県版」を作成した。知りたい内容ごとに、自治体や国立がん研究センターなどが公表している信頼性の高い情報を提供する。
医療関係者やがん経験者らと協議を重ね、県内の情報を盛り込んだ。検診や治療のほか、就労や生活全般などの17項目の情報を地図のようにまとめた。各項目の2次元コード(QRコード)を読み込むと、必要な情報が案内される。
一般社団法人「CancerX(キャンサーエックス)」が作成した全国版は既に公開されているが、県によると、都道府県版としては神奈川が全国初。県版では、災害時には通常の診療が受けられなくなることもあるといった、日ごろの備えに関する情報も提供している。MAPは県のホームページからダウンロードして入手できる。
黒岩祐治知事は4月30日の定例会見で「(がんの)情報はインターネット上にあふれていて、必要な情報になかなかたどり着けない課題がある」とし、「患者やご家族が安心して治療に専念できる環境を整え、がん対策を推進していく」と語った。