「防災教育の成果感じた」 スマトラ沖地震・津波で被災のインドネシアのバンダ・アチェ市民が東日本大震災の教訓学ぶ 岩手・釜石市

2004年に発生したスマトラ沖の地震・津波で甚大な被害を受けたインドネシアの一行が7日、岩手県釜石市を訪れ、津波防災について学びました。

釜石市を訪れたのはインドネシアのアチェ州の州都バンダ・アチェ市の津波博物館の職員や中学校の教職員ら計17人です。2004年に発生したスマトラ沖地震・津波ではインドネシアで24万人以上が死亡または行方不明になりました。
一行は7日、東日本大震災で大きな被害を受けた鵜住居町で被災の状況や小中学校で行われていた防災教育について学びました。津波避難の体験では命をつなぐ未来館の職員で大震災当時、釜石東中学校の2年生だった川崎杏樹さんの案内で、子どもたちが迫りくる津波から逃れた道を実際に歩きました。

(川崎杏樹さん)
「一人一人が助かるために高台を目指して走り始めました」
(中学校教員のカーダルスミさん)
「私たちの学校は海に近く津波の危険が高い場所にある。釜石で学んだことを生かしたい」

大震災の前から行われていた防災教育が強く印象に残った人もいました。

(津波博物館のチュット・インタン・ダマヤンティさん)
「実際に私たちが避難経路を歩くと写真だけでは分からない発見がたくさんあった。巨大津波の中で(釜石の)子どもたちの被害が大変少なかったことはともても幸いなことで、震災前から行われてきた防災教育の成果だと感じた」

インドネシアの一行は10日まで日本に滞在して岩手・宮城の被災地の学校や震災遺構を訪ねる予定です。

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