特異な変拍子、奇妙な不安。killmilkyがデジタル・シングル「意味のないシーニュ」をリリース

東京を拠点に活動する4人組バンド、killmilky(キルミルキー)がデジタル・シングル「意味のないシーニュ」を本日5月7日(火)にリリースした。本作は4ヶ月連続リリースシングルの第3弾。

今作「意味のないシーニュ」は、イントロから聴覚を埋め尽くすようになだれ込むkillmilkyらしい轟音ギターと、11 / 8拍子から始まり、5 / 8、6 / 8と様々に移行していく変拍子が特異な曲。どこかワルツのように跳ねるメロディに乗せ、〈わたしは生まれる前に生まれるのをやめたの/だから今生きているのはわたしじゃないの〉と歌う様は、聴き手自身の存在をも揺らがせてしまう奇妙な不安に満ちている。中盤からの水の滴る音は、連続リリース第1弾シングル「シニフィアンが溶け出す」との連続性を示唆すると共に、今作の主題である「シーニュ」(=記号)も、直近のシングル群の「シニフィアン」(=表象)、「フィギュール」(=形象)との関連性を浮かび上がらせる。 なお、これまでの楽曲同様、今作もレコーディングからミックス/マスタリングに至るまで、全てセルフ・プロデュースによって制作されている。

中野ち子(Guitar)コメント

「意味のないシーニュ」と書いてあるとおり、わたしたちは音楽に意味させることはできません。これだけ無責任に抽象的なことを書き続けているのは、そうするしかないからです。

なにもない場所へ行きたいと感じます。なにもなく、誰もいない場所です。どこか遠くへ行きたいのです。それは、この世の外でさえあればどこでもいいという感じ。

決して、死にたいということではありません。ただ、存在すること以外の方法で、美しい世界を生きたかった。

そもそも、死では存在を否定することはできません。死は存在の中で発生するひとつの出来事に過ぎないからです。死んだとて、死者として存在してしまう。

存在とは他なるものに、わたしたちはどのようにしてなることができるでしょうか。生まれる前に、生まれるのをやめるのです。生まれる前に、この世界から降りる必要がある。それは不可能なりにも、ひとつの解決になっているように感じます。

非存在や、純粋な無への憧れのような感情。死に至らしめるほどに、存在することに疲弊させる無。

なにもない場所で生きること。それは、わたしだけがいない場所へわたしだけがいるような感覚。

しかしながら、この世界に生じている美しい風景や現象のことを、わたしはいちいち美しいと感じてしまう。オレンジの淡い光が中空に溶けていく。わたしのうつろなトレ・ユネールが、それを愛してしまう。 killmilkyは、2020年に小森まなこ(vocal / guitar)を中心に結成。同年、「誘蛾燈」「白昼夢」のミュージック・ビデオをYouTubeにて発表。2021年7月に初ライブを敢行し、以来シューゲイズ・シーンを中心にライブ活動を展開。2022年4月に1st EP『If you kill milky me』、2023年7月に2nd EP『虚構のサンクチュアリ』をリリース。苛烈なノイズの轟音と、その隙間から響き渡るフィメール・ヴォーカルで、狂気と情念が渦巻くサウンドを鳴らしてきた。

【killmilky(キルミルキー)プロフィール】

小森まなこ(vocal / guitar)

中野ち子(guitar)

わだ(bass)

★(drums)

東京を拠点に活動する4人組バンド。2020年に小森まなこ(vocal / guitar)を中心に結成。2021年7月に初ライブを敢行。2022年4月に1st EP『If you kill milky me』、2023年7月に2nd EP『虚構のサンクチュアリ』をリリース。苛烈なノイズの轟音と、その隙間から響き渡るフィメール・ヴォーカルで、狂気と情念が渦巻くサウンドを淡々と鳴らす。

© 有限会社ルーフトップ