元F1世界王者バトン氏がRB両ドライバーの現状に見解。角田裕毅には「ずっと安定しており情熱的」。34歳リカルドは「今が重要な戦い」

決勝レースではチームメイト同士でまたも明暗が分かれた。

5月5日に行われたF1第6戦マイアミGPで、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は今季2度目の7位入賞を果たした。10番グリッドと好位置からスタートした角田は、他のマシンのクラッシュによるセーフティカー導入のタイミングをうまく利用し順位を上げ、レース中盤以降7位をキープ。ポジションを守ったままチェッカーを受け、2レースぶりとなる決勝でのポイントゲットを果たした。

一方で、前日のスプリントでは4位に入ったダニエル・リカルドだが、予選18位、決勝レースでも15位に沈み、このGPでもチームメイトの後塵を拝する結果となった。

このレースも含め、ピットとの好連携もみせながらコンスタントにポイントを重ねる角田に対し、開幕から満足のいく結果が残せていないリカルド。両者のチーム内での関係性も幾度となく話題に上ってきている中、ここまでのRBチームそれぞれの走りについて、元F1世界王者も関心を寄せているようだ。

英モータースポーツサイト『CRASH』では、マイアミGPの結果などを踏まえ、2009年シーズンでワールドチャンピオンとなったジェンソン・バトン氏による、両ドライバーへのコメントを紹介している。

同メディアは、「マイアミで対照的な日曜日を過ごした」と両ドライバーの結果を振り返っており、角田の好成績を伝えるとともに、リカルドには「進歩の兆しが見えたとはいえ、完璧な週末ではなかったようだ」と指摘。

その上で、バトン氏が両者に対し見解を示したとしており、不本意な結果に終わった34歳には、「現在はチームメイトの順位を見つめる状況が続いている」と苦しい状況であることを強調。その上で「彼は気を取り直して素晴らしい結果を得る必要があるだろう。彼の将来にとって今が重要な戦いだ」などと激励の言葉を並べた。

また、角田に向けては、「彼はずっと安定してきており、情熱的だ。メルセデスを上回る7位という本当に印象的なレースだった。それはクルマのペースだけでなく、ユウキのペースも示している」とマシン、ドライバー両方のパフォーマンスを称賛している。

同メディアも「バトンは、2024年のツノダの安定性が向上していることを認めた」と綴っているように、今季、日本人ドライバーの成長度合いが大きいことは誰の目にも明らか。それゆえ、6レースを終えても不振が続くベテランへの見方が厳しいものになってきているのは間違いないだろう。

チーム首脳の対応も含め、コース内外でのRBチームの動向は、今後も注目を集めそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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