青森県内の4月平均気温、19地点で過去最高 好天、日照時間増で暖かく

 4月の青森県内は、23観測地点中19地点で月の平均気温が観測史上最高となる暖かさだったことが、7日までに分かった。青森地方気象台による月の天候まとめによると、歴代1位だったのは三戸(11.7度)、弘前(11.6度)、八戸と五所川原(11.3度)、青森(11.2度)など。タイ記録の今別(9.8度)、青森市酸ケ湯(6.4度)のほかは従来の記録を0.2~0.7度、平年を2.1~3.6度上回った。

 同気象台の藤田淳調査官によると、4月の日本付近は太平洋上に高気圧がある日が多く、その西側を回り込んで南から暖かい空気が入る「高気圧性循環」が起こりやすかった。西日本には暖かく湿った空気が流れ込み、高温ながら雨の降る日も多かったが、青森県など北日本に入ったのは乾いた空気で、好天と日照時間の増加につながった。

 15日には黒石市と五所川原市市浦で26年ぶりに4月の日最高気温を更新。27日には上空約1500メートルに6月並みの暖かい空気が入り、三戸町では4月の日最高気温で歴代1位となる31.2度を記録、県内で史上最速の真夏日となった。

 藤田調査官は「4~5月の県内は、平年でも好天の日が多くてベースの気温が高く、さらに南からの暖かい空気が入ったことで平均気温を押し上げた」と解説。4月は日本付近で蛇行する偏西風が平年より北側で流れ、高気圧性循環の発生を促したことも高温の要因と話した。

 仙台管区気象台発表の1カ月予報によると、東北地方は5月も高温傾向が継続。一方、低気圧や前線の影響を受けやすい時期があり、降水量は平年並みか多くなると見込んでいる。

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