GW、関西・中京客は減 延伸の乗り換え負担影響か

新幹線から降りる利用客で混雑するホーム=5月3日、JR金沢駅

  ●サンダーバード10%減、しらさぎ半分に

 JR西日本金沢支社が7日発表したゴールデンウイーク(4月26日~5月6日)の利用状況によると、関西方面と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」が前年比10%減、中京方面からの特急「しらさぎ」が同49%減となった。いずれも北陸新幹線の敦賀延伸に伴う乗り換え負担などが影響したとみられる。同新幹線上越妙高―糸魚川間の利用は前年を14%上回ったものの、2015年の金沢開業直後のGWは同区間の乗客が3.1倍となっており、9年前と比較すると伸び幅は小さかった。

 期間中、サンダーバードの利用者数は19万8千人だった。JR西日本は、乗り換え負担のほか、大型連休が「北陸応援割」の期間外となったことや能登半島地震の影響を理由に挙げた。しらさぎは4万3千人で、前年からほぼ半減した。

 また、JR西日本によると、サンダーバード、しらさぎは新幹線の敦賀延伸に合わせて全席が指定席となった。この影響で自由席を備えた新快速列車に需要がシフトした可能性がある。

  ●新幹線は多い?少ない?14%増

 北陸新幹線上越妙高―糸魚川間の利用は前年比14%増の35万6千人で、新型コロナ前の2018年比では10%増加した。1日当たりの平均利用者数は3万2千人で、15年の金沢開業以降のGWでは、10連休があった19年(3万7千人)に次いで多かった。

 乗車率が100%を超えたのは上下線で計11本で、JR西の担当者は「北陸への注目度は高く、首都圏客に多く利用してもらえた」と話した。ただ、新幹線が金沢まで開業した15年のGWは、前年の在来線特急の3.1倍となる約39万人が利用しており、金沢市内の宿泊施設からは「思ったほどの入り込みでなかった」との声も聞かれた。

 延伸区間の一部である金沢―福井間のGW中の利用は上下線計27万人で、特急が運行していた前年比で18%増だった。

  ●小松―羽田便、前年割れ

 全日本空輸金沢支店、日本航空北陸支店によると、主要路線である小松空港発着の羽田便は、GW中の利用者が両社とも前年を下回った。北陸新幹線に一部利用が流れたとみられる。

 小松―羽田便は、全日空が前年比1%減の1万1405人、日航が14.8%減の1万4997人。日航によると、提供座席数が前年より11.4%減となった影響もある。

 羽田以外の小松発着便は、全日空札幌便が9.5%減の2270人、同福岡便が8.1%増の4511人、日航那覇便が1.3%増の2631人。通常1日2往復の全日空能登―羽田便は地震の影響で1往復に減便しており、前年比39.3%減の2187人だった。

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